日銀の政策委員会・金融政策決定会合議事録。2000年7月17日分と8月11日分を読みました。ゼロ金利解除に至る経緯です。これが面白い。ビデオテープを観るように克明に書かれていて、臨場感に溢れ、中々読み応えがあります。各委員の論の展開や、滲み出る人柄というか味もまた様々で、こちらも小説のようで楽しいです。各委員に対する個人的な感想も持ちましたが、それは書くのは控えておきましょう。

2000年8月というと、当社がオリジナルに上場を果たした月です。上場日は8月4日。その前後にこのような議論がなされていたと知ると、感慨深いものがあります。当時の日本、特に金融界は大混乱の時代で、毎月のように大手金融機関が破綻したり、或いは合併したりしていました。そして日銀の読みは少なくとも結果的には外れ、ITバブルの崩壊と共に、景気やマーケットはこのあとすぐに虚しくも崩れていったのでした。当社はその直前に上場を果たしたのです。
社会がドラマチックなだけでなく、あの頃私たちもかなりドラマチックでした。そんな雰囲気を思い出しました。私はドラマチックな生き様が好きです。詩は心情を詩的に書くのではなく、まず詩的な心情があり、それを書かざるを得なくて書くものだ。そんな類のことを、確か朔太郎が書いていたと思います。安吾も同じようなことを云っています。ドラマはこれからだよん♪