昨晩は所用で本当に久し振りに六本木に行きました。かつて六本木の近くで12年間働いていたので、それなりにその界隈にも行きましたが、昔から六本木はお気に入りの場所ではなく、なんとなく足の向かないエリアです。なんか人工的で、変に無理をしている感じもして、どこか好きになれないのです。混むこともありますが、私のイメージでは「空いて」います。生まれて初めて六本木に行ったのは確か中学生の時で、それが昼間だったのでガランとして田舎っぽい感じがして、そのイメージがいつまでも私の頭の中にあるのかも知れません。果たして昨晩は、やはり空いていました。

道や街の混み方は、景気にも敏感で、またそれぞれの場所に独自の理由もあり、人文地理的ウォッチャーの私としては中々興味深い対象です。六本木は繁閑の振れ幅と、繁閑の変わる頻度の大きい場所で、これは日本橋などと対照的です。それが結果か原因かは今ひとつ不明ですが、日本橋のお店は権利金は高いが家賃は安く、一方六本木のお店は権利金は安いが家賃が高いと云います。流行り廃りが激しい場所は、六本木的賃料体系が向いていますが、逆にそのような賃料体系なので、流行りを狙うお店が増えるのかも知れません。昨日行った店は、或るとっても変わった趣向のなされた店で、日本橋界隈では考えられないものでした。どちらがいいかはひとことには云い切れません。しかしどんな場所でも、生き残るために必死な場所には、一定の輝きや価値はあるものです。
今晩訪れる街はどんな様相をしているでしょうか。