以前にも書いたことのある薬屋のおばちゃん。またしても含蓄に富むお言葉を頂きました。前回はうっかり飲み過ぎてしまった翌日に、的確に選んだ薬を渡しつつ「己に負けた」とつぶやかれ、私は脱帽したのですが、今朝もまた大脱帽が。
今回は二日酔いだった訳ではありません。しかし連日の会食等で胃が弱ってきており、どうもむかつき感があったので寄ってみました。おばちゃんはじっと私の話を聞いてから、「ハイこれ」と云って或る薬をくれました。どう云う成分が入っており、どのような作用でいいのかも極めて簡潔に説明しながら。 その説明が素晴らしいので、「おー、効きそうですねぇ」と思わず云うと、おばちゃん曰く。「薬は効きます。でもそれよりも食べ過ぎで胃が弱るスピードの方が速い。薬が負ける。」
おー、またしても蓋し名言。見事なお点前です、と云って頭を下げると、庭からししおどしの音がカツーンと響くような。あたりがそんな雰囲気になりました。何事も自制が大切です。そして自らの体の声をそっと耳を澄まして聞くことも大切なのでしょう。おばちゃん、ありがとうございます!
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。