先週金曜日に「ノリ」なる題名のつぶやきを書きましたが、以来、この件が頭にこびりついています。
ノリ、勢い、モメンタム、波。どれも同様のことです。クセを付けないと毎日エクササイズが出来ないように、一事が万事、余程の天才でもない限り、ノリを瞬時にオン・オフするのは至難の業です。
寝転んでいて、起きていきなり世界記録を出す女子棒高跳びのスーパースター・イシンバエワは本当の天才。深い睡眠から急に覚醒して正確な狙撃をするゴルゴ13は漫画の中の話。
普通の人間たるもの、そんな急にはオンは出来ません。全ての営みについて、波を高く維持したり、TPOに併せて波の山を持ってくることは、持って生まれたリソースに対する出力を上げるためには、何にも増して重要なことのように思われます。逆に云うと、意志によるノリの調整が出来る者だけが、様々な競争等に勝てるのかも知れません。
ノリのコントロール。ノリは本来、意識の中にあると云うよりも、無意識下に存在する気がするので、そのノリを意識的にコントロールするとは一見自己矛盾があるようにも思えますが、暫く意識を持って注意深く観察したいと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。