ドルが売られません。金融システムを守るため、そしてデフレスパイラル回避のために史上最大規模の厖大な財政出動をしていますが、それでもアメリカの長期金利は上がらず、ドルは売られません。9月29日の<ドルの行方>と云うつぶやきでも書きましたが、最大の理由は需給でしょう。膨張する財政支出を嫌って、ドルを売ってアメリカから逃げるお金がある一方、誰かがドルを買っているのです。
アメリカがここまで真剣に取り組めば、されどアメリカ、きっとアメリカ経済は復活してくるだろう。アメリカは今回の混乱の戦犯でありケシカランが、さりとてアメリカ以外にまとまったお金を置ける場所はない。等々の理由から、ドルが買われているのでしょうか。
思うに、もっとも大きなドルの買い手は、アメリカ人ではないでしょうか?いわゆるリパトリエーションと云う、お金が自国に戻ってくる現象です。世界で最もお金持ちの国はアメリカです。その自国の一大事。一旦は逃げ掛けたお金も、或る程度方向性が見えてくれば、「いざ鎌倉」の如く、お金が舞い戻ってきているのではないでしょうか。
日本が不良債権処理に苦しみ、巨大な財政赤字を作った時期にも極端な円高が進んだことと、どこか共通点がある気がします。いずれにしろ、世の中はようやく安定化に向けて動き出している感じがします。この感じを大切にしたいですね。