景気と株価はどのくらい関係があるでしょうか?
当然あります。しかしバブルの絶頂期も今も、日本のGDPは殆ど変わっていないことを見ると、殆ど関係ないと云うことも出来そうです。
GDPは1年で5%も変わったら腰が抜けるほどの大騒ぎになるでしょうが、株価は一日でも簡単に5%ぶれることがあります。ですから短期的には、景気と株価の関係はあまり深くないと云った方が正しいでしょう。

我が国の景気は、世界的な状況を鑑みると、これから暫くはきついでしょう。しかしそのことと株価の関係については、もちろん影響はあるのですが、慎重に見る必要があると思います。経済自体よりも、センチメント、雰囲気の影響の方が、短期的には遙かに大きいでしょう。

一方で長期的には、経済と株価の間には重要な関係があります。
小さなGDPの国で、その国の上場企業の時価総額和がその何倍にもなるなどと云うことはあり得ませんし、その逆、即ち経済大国に於いて、企業時価総額和が極端に小さいと云うこともあり得ません。
日本でもアメリカでも、過去の推移をみると概ね、上場企業時価総額和の上限は、GDPの140%程度です。一方下限は、日本で50%、アメリカで70%程度です。そして今まさに、両国に於ける株価は、その下限の周辺に来ています。数週間前にその水準まで来て、或いは一瞬割って、今は少し戻して、またその水準に向かっていると云う状況です。もちろんパラダイムが変わってしまった可能性もあります。

景気はもっと悪化する可能性が高いでしょう。そしてどんな時にもオーバー・シュート、行き過ぎることもあります。しかし景気変動と株価については、様々な視点から冷静に見る必要があると思います。