マーケットは更に混迷を深めています。世界中の株が売られ、マネーが縮小しています。あらゆる視点から見て、今の状況は、資本市場にとってまさに未曾有の異常事態だと思います。バブルの崩壊は今迄も何度もありました。しかし今回の問題は、先日のつぶやきでも書いたように、バブルが崩壊した後に、「不安の集合体」と云う「巨人の足」が、ドンドンと踏みつけているような感じがします。
そのような不安が作られてしまったひとつの大きな原因は、金融機関の救済に関するルールが一貫しておらず不透明である、と思われてしまったことでしょう。或る者は助けられ、或る者は助けられない。このことが不安を喚起し、結果として全体のコストを極端に大きく上げてしまったのではないでしょうか?袋の中に、見た目の同じ飴が入っている。殆どは問題のない飴だが、ひとつ、或いはいくつかは毒入りである。そんな袋の中の飴を、食べられる人はいません。そして人は大きな不安に駆り立てられ、飴を袋ごと捨ててしまうのです。
ルールが不透明な、少なくとも不透明に見えた金融機関の救済手法が、このように不安を増幅し、それらが全て集まって、マーケットを破壊する「巨人の足」になってしまったのではないでしょうか。不安はいつか取り除かれるでしょう。と云うか不安を取り除くための努力、対応、手法を、あらゆる関係者が、真剣に取り組まなければいけないと、そう思います。