マーク・トゥエインは様々な"美味しい"フレーズを残しました。
ビートルズがメロディの天才であったように、フレーズにも天才がいるのでしょう。日本で云うと、個人的には寺山修司が好きですが、マーク・トゥエインは世界級です。中でも好きなのはこの一句です。
"History doesn't repeat, it rhymes."(正確にはもう少し長いのですが、一般に口にされるものを紹介させて頂きました)「歴史は繰り返さない。それは韻を踏むのだ。」-全くその通りだと、腑に落ちます。しかしこれは単に「歴史は繰り返す」と云っても、実は意味はあまり変わらない訳で、同じものから全く違う味の料理を作り出すシェフのように、芸術的な閃きのなせる業なのでしょう。神は細部に宿るとは、こう云うことでしょうか。

歴史は韻を踏む。人然り、組織然り、社会然り。今世界を心配させているサブ・プライム問題も、凡そ10年前の日本の不良債権問題と酷似しています。担保価値の下落、疑心暗鬼、ねじれ議会。波のように循環することは、自然と人間の理(ことわり)でしょう。或いはそもそも人も社会も古(いにしえ)から何も変わらないのかも知れません。

しかし人間は、知識や知恵を蓄積出来ます。歴史自体が或る意味で繰り返すことは避けられなくても、問題解決の手法は、過去から学んで改善出来る筈です。他所の問題だけを云ってるのではありません。以て他山の石としたいと思います。