2006年の日本の名目GDPは、世界の10%を24年ぶりに切り、国民一人当たりGDPは、遂に世界第18位にまで落ちました。世界のGDPに占める割合は、1994年に17.9%まで達しましたが、2006年は9.1%まで下落しました。因みに米国は27.2%、EUは28.3%です。お隣の中国は5.5%で、諸説ありますが、恐らく2年後には、日本のGDPは中国に抜かれることでしょう。中国は人口が多いですから、いずれGDPが日本を抜くことは、或る意味当然です。

注目すべきは、日本の一人当たりGDPが既にここまで弱くなってきていることです。これは偏に、我が国に成長戦略がないからではないでしょうか?政治や行政の場面で、少なくとも報道を通して聞こえてくるのは、「成長」と云う言葉は殆ど皆無です。いがみ合いや謝罪はもうたくさんです。今のねじれ国会が、この悪状況に更に拍車を掛けているようにも見えます。与党も野党も、次の選挙で議席を取ることに腐心していますから、勢い、「ある物をみんなで分け合おう」的な、大衆社会主義的なノリトが増え、成長については真剣に語られていない気がします。良くないですね。

一人当たりGDPをもう一度世界のトップクラスに戻すような、会社であれば一人当たり利益を最大化していくような、そう云った成長戦略が、もっともっと盛んに議論されるようにならなければいけないと思います。