有権者のみならず、子供から海外まで、あらゆる人を唖然とさせた辞任騒動から一日が経ちました。怒る気にもなれない脱力感と、海外に対する恥ずかしい気持ちを感ぜざるを得ませんが、人々の関心は、急速に「辞めた人」から、「次の人」に移っていくでしょう。
政治の世界ですから、我々が思いも寄らないような名案や、或いは今回起きたような意味での思いも寄らない迷案もありそうですが、世間の下馬評では、A氏がやはり優勢のようです。辞めたAさんも、次のAさんも、どちらも元首相の孫です。永田町は梨園と同様、世襲制の世界なのでしょうか?しかし太平洋の向こう側の大国に於いても、BさんCさんと大統領をしたあとに、Bさんの息子が大統領になり、次期大統領はCさんの奥さんではないかとのことですから、この「政治世襲化現象」は、少なくとも先進国に於いては、一般的な現象なのかも知れません。
で、この世襲制、社会のどんなところにあり勝ちなものでしょうか?競争の激しい分野はどうでしょう?投資銀行、コンサルティング会社、商社、パイロット、プロ・スポーツ選手、云々。それぞれ親子で同じ分野と云う人もいるでしょうが、それほどには見かけません。お笑いなどの人気稼業も同様、作家、芸術家に至っては、まぁ滅多に聞きません。要は、私が思うに、世襲制の際だつ世界と云うものは、基本的に競争が少なく、人気のない職業ではないかと思うのです。
ここで疑問と云うか提案があります。そんな無競争・不人気業界の話に、厖大な紙面や電波を使うのは止めるか、或いはそんなに報道するならば、それに見合うような人達を、もっともっと送り込むべきではないでしょうか?馬鹿にするのは簡単なのですが、その損害を被るのも、そもそもその人達のベースを選んだのも私達です。どこかでこの負のサイクルを、断ち切らないといけないですね。