先週の中国株ですが、深セン総合指数と創業板指数は続伸となりましたが、上海総合指数と香港ハンセン指数は反落でした。上海総合指数ですが、週初の2月26日(月)は6日続伸からのスタート。26日(月)から開催された三中全会開催期間中は当局が株価安定化策を図るだろうとの期待感や、公開市場操作で資金供給が続けられていることから引けにかけて上昇し3,300ポイントを回復しました。ところが27日(火)は公開市場操作での資金供給が見送られたことから利食いに押されて反落。
さらに28日(水)は米国株の株安の流れを受け継いで安く始まると、午前に発表された2月の中国国家製造業景況感指数が50.3と、市場平均予想の51.1や1月実績の51.3を下回ったことと、同じく非製造業景況感指数が54.4と、市場平均予想の55.0や1月実績の55.3を下回ったことから中国経済の減速懸念が高まって、続落。3月1日(木)は2月のCaixin中国製造業景況感指数が51.6と、市場予想の51.3、1月実績の51.5を上回ったことから中国の景気後退懸念が後退して反発したものの、2日(金)はトランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムに追加関税を課す方針を示したことを受けて、素材株主導で下落して反落。ただ、両会開催期間中は当局の買い支えがあるとの思惑から下落幅は限定的でした。結局、上海総合指数は前週末比で1.0%安の3,254.528ポイントで引けています。
一方、香港市場も週初の26日(月)は米国株が堅調だったことや、米国の長期金利上昇が一服となったことから米国への資金還流懸念が後退して続伸からのスタートでした。27日(火)も出足は良かったのですが、上海総合指数が下落したことから後場にマイナス圏に沈んで反落し、28日(水)も米国株安の流れを受け継いで続落。1日(木)は2月のCaixin中国製造業景況感指数が好調だったことと、本土株の反発が追い風となって小幅反発でしたが、2日(金)はトランプ発言から本土系素材株他、幅広い銘柄が売られて反落。結局香港ハンセン指数は前週末比2.2%安の30,583.45ポイントで引けています。
トランプ発言からの世界株安の影響を受けて反落となった中国株ですが、ドル安に伴う通貨高で大きく調整している日本株や欧州株と比較すると下げ幅は軽度です。中国の経済指標も比較的良好に推移していることや、ドルに通貨をペッグしている香港はドル安で逆に恩恵を受けることから、香港ハンセン指数は100日移動平均線程度までの調整はあるかもしれませんが、その調整を終えれば、再び上昇基調に戻れるのではないかと見ています。
コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)