分散投資とは何でしょう?ひとつの資産(株など)ではなく、多数の資産に投資すること。正解です。そして分散投資が行われると、全体のリスクが軽減されることになります。しかしここで気を付けなければいけないのは、同種多数の資産ではなく、多種多数の資産に分散しなければいけないと云うことです。これは当然のことのようで、誤解されている場合も、まま見受けられます。
例えば同業種の多数の会社の株式に投資をしても、そこには分散投資のメリットは少なく、リスクは軽減されません。この辺りまでは簡単なのですが、証券化商品になると、その複雑な金融工学玉手箱の所為で、誤解が助長されるケースが増えるように思われます。

証券化と云うのは、例えば貸出ローン債権を多数掻き集めてきて箱に入れ、かつ資産全体のパフォーマンスが落ちてきた時に、最初にロスを負担する層、次に負担する層などを作ることによって、各ローン債権の不払いなどが起きても、中々ロスの発生しない安全な投資商品を作ることです。ここに肝は2つあり、「多種・多数のローン」に分散投資することによるリスク低減と、「先にロスを負担する層」を作ることによるリスク低減です。ローン債権の証券化の場合、例えば企業向けローンで、業種が分散されていれば、この2つのリスク軽減の仕組みが働きますが、例えば今話題のサブプライムローンを多数集めた場合は、リスク軽減の仕組みは、2つのうちひとつしか働きません。

このような部分に、金融商品の複雑さが手伝って誤解を生み、その誤解のために、不安が広がりやすい。そう云った構図が、現代の金融市場には多かれ少なかれあるでしょう。であるからこそ、他人よりも仕組みを理解することは、投資の上ではとても大切であり、自らを優位にすることです。投資教育のメリットは、こんなところにもあると、私は思っています。