先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数と創業板指数、香港ハンセン指数は揃って反発となりました。上海総合指数ですが、先週は2月15日(木)から旧正月の連休による休場となったために3営業日の取引でした。週初の12日(月)は9日(金)の終値からはマイナスでスタートし、前場はマイナス圏とプラス圏を行き来していたものの、後場にプラス圏に伸び上がりました。セクター別には旧正月の連休で業績が伸びると予想される酒造、食品や家電などの消費関連株が買われました。

続く13日(火)も続伸。12日(月)の引け後に発表となった中国の1月のマネーサプライが8.6%増と予想や12月実績の8.2%増から一段高くなっていること、同じく1月の人民元建ての新規融資額が2兆9,000億元と、予想の2兆500億元や12月実績の5,844億元よりも大幅に伸びていること、当局が公開市場操作で資金供給をしたことなどを受けて、金融引き締めへの懸念が後退しました。セクター別には金融株が堅調。ただし、旧正月の連休を控え、節目となる3,200ポイントを超えたあとは手仕舞い売りも出て伸び悩みました。14日(水)も旧正月前の最終売買日ということで売買代金も低調で方向感のない展開でプラス圏とマイナス圏を行き来する展開でしたが、最終的には小幅続伸で引けています。結局、上海総合指数は前週末比+2.2%の3,199.159ポイントで引けています。香港市場と比較すると鈍い反発でしたが旧正月の長期連休前でしたので仕方がないと言えるでしょうか。

一方、香港市場は16日(金)から休場で、15日(木)は前場までの取引でしたので先週は3日半の取引でした。週初の12日(月)は小幅続落となったものの、米国の好調な株式市場の流れを引き継ぎ13日(火)は反発。14日(水)と15日(木)は旧正月の連休前に関わらず大幅続伸となり、香港ハンセン指数は前週末比で5.4%高の31,115.43ポイントで引けています。香港株が中国本土株と比較して強い理由はいくつかあります。まず、海外の資金流入に制限がかかっている本土市場に対し、香港市場は米国の株式市場の影響を直接受けやすいこと。次に、香港ドルは米ドルにペッグしていますが、米ドル安が進んでいるので香港も通貨安の恩恵を受けられること、さらにITの主力銘柄であるテンセント(00700)がJDドットコムの物流子会社への出資のニュースから急騰したことなどです。

香港ハンセン指数は先週の急反発で早くも50日移動平均線を回復してきました。香港市場は19日(月)までが休場で20日(火)から取引再開、中国本土市場は21日(水)までが休場で22日(木)から取引再開予定ですが、旧正月明け前でも力強い動きをみせたハンセン指数を見ると、旧正月明けも株価上昇が期待出来る状況なのではないかと思います。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)