円安が止まらない理由は何でしょう?専門的な精緻な分析ではなく、感覚的な分析から3つほど理由を挙げてみたいと思います。最大の理由は少子化が止まらないこと。これは短期的な問題ではなく、長期的・構造的な問題ですが、この少子化を止めないと、いずれじわじわと国力は低下し、長期円安傾向を変えることは出来ないでしょう。もう一つの理由は、「円安はいいことである」と思っている人がいまだに多いこと。円安になれば輸出企業などの収益が増加し株価も上がる、そんな論調が、かつてよりは随分減りましたが、いまだに至る所にあることです。
企業収益をドル建てで見たらどうなりますか?本当に伸びていますか?痛いと思えなければ身体は怪我を治せないように、円安はいいことだという考えを改めなければ、やはり円安は止まりにくいでしょう。そして最後に政策構想−「美しい国」。大切なことです。しかし「美しい会社」が経営目標の会社は、その目標自体は立派な目標ですが、しかしそれが最大の経営目標だと経営者が云い続けると、流石にその会社の株価はあまり冴えないでしょう。「美しい国」が政策目標の国の通貨は、中々強くはなれないだろうと思ってしまうのは、私だけでしょうか?