先週の中国株ですが、上海総合指数と香港ハンセン指数は続伸、深セン総合指数と創業板指数は反発となりました。上海総合指数ですが、週初の22日(月)から堅調なスタート。この日は石炭株や鉄鋼株が買われて相場を牽引。その他、原油価格の下落で恩恵を受ける航空株も買われました。翌23日(火)も大幅続伸。当局が公開市場操作で資金供給を続けていることや海外の株高が支援材料。中国の堅調な経済指標と長期金利の上昇を背景に金融株が大幅高になり市場を牽引しました。
24日(水)も続伸で7営業日連続続伸。一時、利食い売り圧力からマイナス圏に転落するも、原油価格の上昇やパイプラインの改革計画が近く発表されるとの見通しから石油株が強い推移となった他、銀行株が堅調となり指数上昇を支援。さすがに25日(木)は反落となったものの、相場は後場に一時プラス転換するほどで、強い相場つきであることは変わりありませんでした。そして26日(金)は早々に反発。中国国家統計局が26日(金)に発表した2017年12月の工業部門企業利益が10.8%増と11月の14.9%増から減速したことなどから前場はやや軟調な展開だったのですが、ここのところ急反発してきていた上海銀行間取引金利(SHIBOR)が小幅に反落したことなどから短期資金の逼迫感がなくなり後場に向けて反発。保険株が買い戻された他、人民元基準値が引き上げられて2年2カ月ぶりの人民元高水準となったことから航空株が上昇(ドル建ての債務を大量に抱えているため)となりました。結局、上海総合指数は前週末比で+2.0%の3,558.129ポイントで引けています。
一方、香港ハンセン指数も大幅続伸の週となりました。週初の22日(月)は5日続伸で史上最高値を更新。さらに23日(火)が大幅高となって連日の史上最高値更新。中国の好調な経済指標と長期金利の上昇から本土銀行株が買われて相場を牽引しました。主力大型株のテンセント(00700)も強く、原油価格の上昇からエネルギー株も上昇しました。その後、25日(木)には本土金融株やテンセント(00700)が売られ、急反落となったのですが、26日(金)は海外市場が堅調だったこともあってすぐに急反発。結局香港ハンセン指数は+2.8%の33,154.12ポイントで引けています。
これまでの流れを受け継ぎ、非常に強い推移が続いている中国株です。世界的な金融相場の恩恵を引き続き享受できるところと思います。もっとも、年初来、ここまで急上昇が続いてきただけに短期的にはやや過熱感も感じられる水準ですが、もしも調整となれば、そこは年初で初の押し目買いの好機とも考えられると思います。
コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)