先週の中国株ですが、上海総合指数と創業板指数は続落、深セン総合指数と香港ハンセン指数は反発となりました。上海総合指数ですが、習近平国家主席がビッグデータやデジタルインフラの加速・拡充を指示したことからIT関連が買われたことや当局が公開市場操作で200億元を市場に供給したことを材料に11日(月)は上昇でスタート。しかし、12日(火)は当局による保険セクターの統制強化が報道されたことから保険株が大幅下落となった上、銀行株も連れ安となって急反落。

13日(水)は中国政府の混合所有制改革において、航空セクターが次の民間資本参加の対象になるのではないかとの思惑が広がって航空セクターが大幅上昇となって株価上昇を牽引して反発したものの、米国の利上げ決定に伴い、中国人民銀行がレポ金利を引き上げると発表したことで市場心理が悪化し、14日(木)と15日(金)は下落となりました。米国の利上げは想定内でしたが、中国のレポ金利の引き上げが同タイミングで行われるとは、サプライズでした。ただ、引き上げ幅は5ベーシスポイントと小幅にとどまったことから、ショックはそれほど大きくありませんでした。結局、上海総合指数は前週末比0.7%安の3,266.137ポイントで引けています。

一方、香港市場は欧米の株式市場の好調な株価推移の好影響を受けて、中国本土株よりも堅調な動きとなりました。香港ハンセン指数は11日(月)から上昇スタート。中国本土株の上昇も追い風となり、テンセント(00700)や平安保険(02318)などの主力成長株が上昇し株価を牽引しました。12日(火)は反落となったものの、13日(水)は再び主力株を中心に大幅反発。14日(木)と15日(金)は米国と中国の利上げによってAIA(01299)やHSBC(00005)、本土保険株が軟調で香港ハンセン指数も下落となりましたが、週を通しては上昇。結局、香港ハンセン指数は前週末0.7%高の28,848.11ポイントで引けています。

引き続き欧米の株式市場と比較するとじれったい動きになっている中国株ですが、上海総合指数は200日移動平均線を割らずに踏みとどまっていますし、香港ハンセン指数は100日移動平均線でしっかりと反発した流れを今週も引き継いでいます。中国の経済指標も好調ですし、引き続き、調整が終了すれば自然と上昇トレンドに戻れると予想します。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)