先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、創業板指数は続落、香港ハンセン指数は続伸となりました。上海総合指数は週の前半は強い推移でしたが、23日(木)に急反落となりました。 まず、20日(月)は中国当局が金融機関の販売する資産運用商品の監督規制を一元化する計画を17日(金)の引け後に発表したことから軟調なスタート。しかし、最後の1時間ほどで急激に上昇し、プラス圏に浮上しました。銀行株が終盤に買い戻されています。金利上昇による業績期待へ向けての買いともとれますが、当局の買い支えが入った可能性もあると考えられます。その後、21日(火)と22日(水)も中国の長期金利が上昇する中で銀行株や保険株が買われ続伸となりました。ちなみに中国の長期金利は4%台に上昇しています。
しかし、23日(木)に急反落。上海総合指数は2.29%安となりました。長期金利の上昇で買われていた保険株や銀行株が売られた他、ハイテク、工業株にも幅広い売りが出ました。もっとも、パニック売りといった感じではなく、各証券会社からもあくまでも長期上昇トレンドの中の短期的な調整であるとの見方のレポートが相次ぎました。そして24日(金)は小反発となっています。23日(木)の急反落は中国金融当局がレバレッジ解消の動きを強めていることに対する警戒感からのものです。そして24日(金)も引けの1時間前まではマイナス圏の推移だったのですが、最後の一時間でプラス圏に急激に浮上していることを見ると、当局の買い支えがあった可能性があります。当局のレバレッジは解消したい一方で株価は急落させたくない意図が垣間見られるようです。結局、上海総合指数は前週末比0.9%安の3,353.821ポイントで引けています。
一方、香港ハンセン指数ですが、こちらも週前半が強く、後半は軟調となりました。20日(月)を3日続伸でスタートすると、21日(火)は大幅続伸。中国の長期金利の上昇を背景に保険株や銀行株が買われた他、テンセント(00700)や吉利汽車(00175)などの成長株も買われて指数を押し上げました。そして、22日(水)も続伸となり、香港ハンセン指数は約10年ぶりに3万ポイントに到達しました。23日(木)は中国本土市場の急落を嫌気して反落となりましたが、24日(金)は金融株主導で反発となり、長期上昇トレンドが崩れていないことが示されました。結局、香港ハンセン指数は前週末比2.3%高の29,866.32ポイントで引けています。
中国株全体の基調を改めて考えますと長期金利が上昇している中、金融株主導で上昇しています。これは金融相場の典型的な動きで、中国政府が急激な金融引き締めに動かなければ、株価はこのまま上昇していき、業績相場に発展する可能性があるところと思います。
コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)