仕事で香港に来ています。機関投資家に対するIRが主な目的です。前職時には頻繁に来たものですが、最近は年に一度か二度しか来なくなりました。しかし香港の止まることを知らない成長にはビックリさせられます。いつかはじけると思われた不動産バブルも、はじけるどころか、街は文字通り数えることの出来ないほどの摩天楼と建設用クレーンで覆われています。
最近では街を見下ろす小山の上の住宅用の土地が、銀座の中心地の商業地と同じような価格で取引されたとか。唖然とせざるを得ません。後ろに控える中国の潜在成長規模と、長年培ってきた欧米システムの中での信頼が相俟って、このような結果になっているのでしょうか。しかし狂乱の土地価格を見るに、なべてモノの値段というものは、そのモノの本質的価値から乖離して、需給バランスの中で創り出され得る「現象」であることを、再認識させられます。
これは同時に、現象から捻出された交換価値、即ちお金、は、本当の価値を生む資産に変換することを忘れてはいけないことを思い出させます。経済って面白いですね。さて、これから夜の便でシンガポールに移動です。彼の地では何を観察出来るでしょうか?