先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、創業板指数は反発、香港ハンセン指数は続伸となりました。上海総合指数は週を通して強い動きとなり、年初来高値更新です。週初の11月6日(月)は一時下げたものの、後場から上昇基調に。特に大きな材料は無かったのですが、サウジアラビア問題から原油価格が上昇していたことで石油株が上昇し、指数上昇を牽引しました。そして7日(火)も大幅続伸。この日は銀行や保険などの金融株が上昇して指数を牽引しました。金融株の上昇には良好な中国の経済指標に伴う長期金利の上昇が背景にあります。

そして、8日(水)も続伸です。この日発表された中国の10月の輸出伸び率(前年比)は6.9%増と予想の7.1%増を下回ったものの、輸入は17.2%増と予想の17.0%増を上回り、内需の堅調さが確認された形となりました。セクターでは外資による証券会社への出資規制が緩和されるとの報道から証券セクターが強い推移となりました。更に9日(木)と10日(金)も続伸となり、5日続伸に。両日ともに引き続き保険セクターが上昇して株価上昇を牽引しました。結局、上海総合指数は前週末比1.8%高の3,432.673ポイントで引けています。保険セクターの力強い伸びが印象的な週でした。

一方、香港ハンセン指数ですが、こちらも週初に一度大きく下げる場面があったものの、7日(火)は急反発で切り返して約10年ぶりの高値を更新。米国株の堅調なムードを受け継いだことと、この日上場のテンセントの子会社、閲文集団(00772)のIPO応募資金の拘束が解除されたことが要因です。更に、テンセント(00700)が上昇し、相場を主導しました。8日(水)は利食い売りに押されて反落となったものの、9日(木)は反発、10日(金)も終値は小幅安となったものの、一時は年初来高値を更新しました。香港市場は週の前半はテンセント(00700)が、週の後半は保険株が上昇を牽引した印象があります。結局、香港ハンセン指数は前週末比1.8%高の29,120.92ポイントで引けています。

先週、中国株は中国本土・香港共に上昇したわけですが、指数の上昇率以上に力強い印象を受けました。それは、中国経済が良好であり、長期金利がしっかりと上昇していて、保険株が上がっているためです。今週も力強い上昇が期待できるところと思います。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)