皆さんは仮病を使ったことがありますか?私は基本的に使いません。三省堂の新明解国語辞典によると、仮病は「そうした方が自分のために有利なので病気のふりをすること」とありますが、実社会においては、弱みを見せて隙を作るよりも、健勝であることをアピールする方が有利な場合が多いように思われます。
実際私も逆仮病とでも云いましょうか、具合が悪いのに元気なふりをしたことは何回でもあります。ブラック・ジャックは「仮病はこの世で一番重い病気だ」と云ったとか云わなかったとか。人の「意志」を何よりも重要なものと考えるモンテーニュは、仮病は使ってはいけないと説いています。仮病を使うと、本当のその病気を呼び込んでしまうと云うのです。
確かに元気でいようと云う強い意志を持っていても病気になることがある訳ですから、自ら病気になると云うのは、危険極まりない所業です。仮病を使うよりも元気なふりをし、悲観的になるよりも楽観的に考え、運命論は採らずに運命は変えられるものと考えるのが、私の流儀です。全ては自分のために自分の意志の為す業です。そう考えると、明確な目的があれば、その目的達成のための仮病と云うのはOKでしょうか。仮病を発見したら、その目的を逆算するのは、中々興味深く、時に趣の深いことです。