全ての賭け事に於いて、もっとも重要なのは運です。運をどうコントロールするかというのは、最大のテーマです。しかしここで運を除いて観察してみると、賭け事には目を作るゲームと目を当てるゲームがあることに気が付きます。麻雀などは目を作るゲームの最たる例で、手を作る経験と技量が必要であり、長くプレーすると必然的に上級者が勝つものです。

目を当てるゲームというと、丁半ゲームとかバカラがあります。このようなゲームをする人は、必死に目を考えます。色々な法則性を発見しようとしたり、何かにすがったりします。しかし(これは阿佐田哲也さんが書いていることですが)これらのゲームの本質は、実は目を当てることではなくて、賭け金を増やしたり減らしたりするゲームであると思います。目は当て続けることは出来ないのです。運のいい時・地の利がある時に賭け金を大きくしていき、運の悪い時・地の利がない時に賭け金を小さくする。その緩急の付け方が、これらのゲームの肝です。裏側からこのことを見ると、賭け金の緩急を付けないギャンブラーは、いつかどこかで嵌るものです。

これはトレーディングや会社経営などについても似たことが言えると思います。世の中では様々なことが起きていますが、賭け金の上げ下げが出来ているかという視点から見てみるのも、中々興味深いものです。