ニコンがフィルムカメラから事実上撤退するそうです。経営資源をデジタルカメラに集中するとのこと。時代の変遷を感じます。私は幼稚園生の頃から黒白フィルムの現像をダークバックに手を突っ込んで始め、小・中・高とずぅーっと写真を撮っていたので、ショックというか、感慨があります。一眼レフカメラはずっとニコン党で、一番好きなのは「ニコンF」という初代一眼レフですが、どの機種でも(古いものでも新しいものでも)必ず交換レンズが使えるという不変の「Fマウント」が、何とも渋いというか、プロの道具という雰囲気を醸し出していました。他社製品に比べて少々高くて重いのですが、耐久性や、精度に優れていて、しかも昔から集めたレンズが常に使えるという、長い目で見るとお得になるようなそのポリシーにも感化を受けました。前にもつぶやきで書いたことがありますが、フィルムはプラスチック幕の上に建てられた塩化銀の物理的建造物の様なものですから、時間の経過と共に必然的に風化感が出ます。これがデジタルカメラとの決定的な違いで、やはりそれはそれでひとつの文化として保存しておきたいと思います。
先日量販カメラ店に寄った時に、「ニコンFM3A」という、マニュアル露出(絞り優先オート可)、マニュアル・フォーカスの、昔ながらの小型ニコンの後継機を見掛けました。最速シャッター4000分の1秒。買いたいと思ったのですが、踏み留まりました。しかしニコンのフィルムカメラ撤退の報道を見て、大慌てでFM3Aを某君に探してもらいました。量販店B、在庫なし。量販店Y、在庫なし。終いに見つかったら奇跡ですと言われる始末。デパート数軒、在庫なし。最後にニコン本社に直接かけたらコールセンターを紹介され、電話してみたところ、他のお客様から聞いた情報ということで、都内の或る小売店にあるらしいとのことでした。ヤッタ!そして遂にゲットしました。あー、良かった。ブラックのボディ本体を購入しました。レンズは手持ちにあります。久し振りに子供の頃に戻ったような気持ちでした。