最近、株式市場が連日大商いを続けています。当社に於いても、連日のように約定代金記録を塗り替えてきました。

流動性というものは、マーケットにとっては極めて重要です。しかし日本に於いては、昔から流動性は嫌われてきました。税金の仕組みを見ても、とにかく「取引」−人から人にものが移ること−を妨げるように社会制度が設計されてきました。これは封建制度である江戸時代から革命によって明治時代になったと言っても、市民革命ではなくて武士による革命であったために、徳川家から薩長土肥の100家ぐらいに冨が移転しただけであり、新しい超富裕層の100家の当主が、自分達の子孫にその冨をきちんと保全していくために、特に不動産売買などの流動性を妨げる制度を作ったからではないかと私は考えています。

しかしようやく日本でも流動性に対する考え方が変わってきました。流動性は、それ自体に価値があるのです。流動性は資産の実力を高め、リスクを下げます。流動性は資本主義社会の血液です。流動性には固有の特徴があります。流動性は文字通り、水が低い所に流れるように、アナがあるとそこにまっしぐらに向かっていく特性があります。システムであれ法制度であれ、必ず一番弱い所が浮き彫りになり、そこに流動性が集中して、そこから決壊します。従って流動性を扱う時には、常に網羅的に対処することが肝要です。流動性の高いものの例に気体がありますが、タイヤのパンクは全てまとめて修理しなければ、ひとつでも塞がっていないアナがあれば、そこから空気が抜けてしまい全く意味がないのと同様です。

今、投資サービス法という新法が議論されていますが、これなどは最たるもので、よくよく注意して完全に網羅的に新制度を作らないと、役所と金融機関と利用者の仕事や負担ばかり増えて、何ら目的を達成出来ない恐れがあります。多方面の関係者が協力して、いい新法を作っていくべきだと思います。
(因みに当社システムについては、念入りに網羅的に見て、常に前もって改善・増強を続けておりますので、御安心下さい。)