自民の圧勝が大きく報道されていますが、私は投票率の上昇に着目しています(9月2日のつぶやきに書いた通り)。投票率は、前回の総選挙に比べて約10%も上昇しました。人数でいうと、約1000万人です。郵政民営化、賛成か否かという分かり易い二者択一が、有権者の意識を刺激したのでしょう。
我が国は、戦後実質的な国民投票をしたことのない唯一の先進国です。ヨーロッパはEU・マーストリヒト条約関係のレファレンダムで二者択一の国民投票をしていますし(例えば5月にフランスで行われたEU憲章批准のための国民投票は、今回の衆院選と同程度の70%の投票率でした)、アメリカも大統領選は一種の二者択一国民投票です。この分かり易い投票が、民主主義を思い出させるのでしょう。日本では久しく行われなかったために、当事者意識が薄れて、民主主義ボケしてきた訳ですが、今回の選挙で、少しは目が覚めたかも知れません。そうであれば、このまま目を更に覚ましていくことを願います。
さて、郵政民営化の次の一手は何でしょうか?年金問題、財政問題、将来に向けての経済成長など考えると、やはり最大の克服すべき問題は少子高齢化でしょう。如何に少子高齢化を止めるか。これが年金問題の最終的な解決策であり、デフレからインフレに転換させるための最大キー・ポイントであり、個人消費がGDPの7割を占める国に於いての、最大の経済政策です。少子高齢化は現象ではなく、政策の反映の部分が多分にあると思います。投票率の高い高齢者の意見を厚く聞き、投票率の低い若者や、投票権を持たない未成年者、未だ生まれていない子供者の声を聞かない・想像しないのは、当然の成り行きです。しかしそれを敢えて変えていかなければいけない。高齢者向け医療から、未だ生まれぬ生命に向けて、国家予算のシフトをしていく。そうすれば少子高齢化は止まるでしょう。果たして新しい政権はそれを敢行出来るでしょうか。
衆議院の3分の2を占め、かつ任期をあと1年と自認する首相であれば、最後の大改革をするかも知れません。無党派層をいきなり味方に付けた現政権であれば、最大の潜在票田である若者票を取り込めるかも知れません。まぁお手並み拝見といきましょう。今は、民主主義が目を覚まし始めてる、景気は良くなりかけている、株式市場も調子が良さそうである、という雰囲気を大切にして、水を差さないように若干脳天気でも構わないので、このモメンタムを維持することが大事ではないでしょうか。