今日のマーケット、多くの人が違和感を感じたのではないでしょうか。 朝に発表されたGDPは、申し分のないいい数字でした。個人消費や企業設備投資などの内需を中心に高成長を記録し、全体の数字も、先進諸国の世界水準の中で比べても、素晴らしい数字だったと思います。しかしマーケット(株式市場)は売られました。マーケットは、斯くも興味深い、不思議な生き物です。

何故売られたのか?「外国人が売った」と言われることでしょう。理由がハッキリ分からないと、すぐに外国人の所為にするクセがあります。とどのつまり、マーケットは下がりたかったのです。それは多くの投資家が、どこかで弱気になったからです。

この『気』というのが厄介です。存在があるようでないようで、しかしこのセンチメントのために、莫大な冨が創造され、そして破壊されます。センチメント−心の綾−が、意外なインパクトをマーケットに与えることはママあります。トレーダーは、そういったことに一々驚いてはいけません。しかし今日の動きは、流石に意外でした。

こんな日には、以下の詩を詠むべしと、私の二番目に付き合いの長い知人から教わりました。古代ローマの詩人、ホラティウスの名句です。

『しばしば、私と共に苦難を耐えてきた強き男たちよ、今日はブドウの旨酒に 憂いを追いやれ、明日はまた、大海に乗り出すのだ』