遂に、マネックス・ビーンズ証券の業務が始まりました。正式な形でのお客様向けの挨拶は、「代表取締役社長CEO松本大からのご挨拶 」としてホームページに掲載させて頂いております。また、本日はシステムの反応が遅くなることがあり、お客様には御迷惑をお掛け致しました。慎んでお詫び申し上げます。こちらも正式な説明は、「マネックス・ビーンズ証券の全てのお客様へ」としてホームページに掲載させて頂いております。併せて御確認下さい。このつぶやきは、当社のお客様以外の方も読まれているメールマガジンのコンテンツですので、これら正式な文章からは敢えて独立して書かせて頂きます。何卒御了承下さい。

会社のステークホルダーとは誰でしょうか?そしてステークホルダーの望んでいるものは一体なんでしょうか?こういった問題を考えることがよくあります。

第一のステークホルダーはお客様だと考えています。ビジネスはお客様がいて初めて成り立ちます。お客様にサービスを利用して頂いて初めて手数料という形で会社の収入が発生する訳ですから、このことは自明だと思います。如何にお客様に満足して頂くかが、ビジネスの根本原理だと考えています。ではお客様の満足は何処にあるのでしょうか?これは勿論、分かり易い答えは「儲かること」だと思います。安い手数料、いいトレーディング・ツール、優良な投資商品、上手に投資・トレーディングするための学習ができる仕組み、云々。しかしお客様の満足は「儲かる」ことだけではないでしょう。お客様の御質問等への対応の方法に、お客様は満足を感じたり、或いは不満に思われることもある筈です。多岐にわたる、そして計量化できないものも含めた、「お客様の望むもの」を実現していかなければなりません。そしてそれが実現できれば、お客様は「笑顔」になられることでしょう。

第二のステークホルダーは株主の皆様でしょう。一義的にいうと会社は株主のものです。しかし上に述べた理由により、ステークホルダーとしてはお客様が優先すると考えています。株主の皆様は何を求められているのでしょうか?答えは簡単、或る意味でお客様同様、経済的リターンです。しかしそれだけでしょうか?アメリカではソーシャル・リターンという概念が近年脚光を浴びています。株主の望むものは経済的リターンだけでなく、例えばその会社が社会的責任を大きく果たしているので株主であることに誇りが持てる、などのいわゆる社会的なリターンも株主の求めるリターンの一部であり得ると考えられて来ています。そしていずれにしろ株主の皆様が「リターン」を得て満足されると、株主の皆様は「笑顔」になられることでしょう。

第三のステークホルダーは、社員だと考えています。会社は社員なしではお客様にサービスを提供することも、株主の皆様にリターンをもたらすこともできません。社員に笑顔がない会社は、きちんとした企業責任を果たせないでしょう。

(これらのステークホルダーの背景に、「社会」という大きなステークホルダーもあります。しかし私は、社会に対する責任は、企業として税金を払うことだと考えています。社会貢献の種類と方法については、お客様と株主というステークホルダーの皆様から、私たちはその決定権限を付託されていないと考えているからです。)

これら全てのステークホルダーの顔が笑みで満たされること。−お客様と株主の皆様が、当社を利用すること、当社の株主であることに満足され、自然と笑顔になられること。そして当社の社員が、当社のお客様と株主のために働いて貢献することに誇りを持ち、やはり自然と笑顔となること。−これが私の理想であり、目標です。

本日はマネックス・ビーンズ証券の初日でありながら、第一のステークホルダーであるお客様に御迷惑をお掛けしました。誠に恥ずかしく、弁解の余地もないことです。申し訳ございませんでした。今後一日でも早く笑顔が増えるように、誠心誠意精進して参ります。