今朝の日経新聞、私の履歴書の中に新たな発見がありました。
「もりそばとざるそばの違いは海苔のあるなしだけではない」という下りです。そば好きの私として、これは初耳でした。不覚です。私は海苔のかかってない「もりそば」の方が好きです。ざるそばは海苔の香りが強くて、そばの微妙な香りが分からなくなってしまうからです。山葵で食べるよりも、七味をかけて食べる方がおいしいと云う店もありますが、これも恐らく香りを大切にしてのことでしょう。
さて、このもりそばとざるそば、海苔以外の違いを知らなかったので調べてみました。・・・元々はそばと云えばもりそばのことだったが、江戸元禄の頃からつゆを予めそばの上にかけてから食べる「ぶっかけそば」が流行りだし、それと区別する為に、従来のそばを「もりそば」と呼ぶようになった。この頃もりそばは皿の上に盛ってあったが、江戸中期に深川・州崎にあった「伊勢屋」というそば屋が、もりそばを竹ざるに盛って出し始め、以来そのようなもりそばをざるそばと呼ぶようになった。ざるそばに海苔をかけるようになったのは明治以降のことであり、それはもりそばとの差別化を図って、より高い料金を取るためであった。・・・と、云う事のようです。
そば好きの私としては、こんなそばの歴史を勉強できてウレシイ気分です。しかし400年の間に、皿でなくてざるに盛るということと、海苔をかけるという、2つのバリエーションしか生まなかったと云うのは、何とも信じ難い発想力の貧困のせいか、或いはあまりにも壺に嵌った完成された食べ物のせいか、いずれにしろ大きな驚きです。しかし同時に『ザ・国民的食べ物』であることに違いないことが証明されたようで、更にウレシイ気分なのでした。