日本株はぐんぐん上昇を続けています。もちろん日々の動きは別物ですが、当分の間、日本株にはいい環境が続くと私は思っています。世界の景気循環、戦争のリスク、日本の構造調整、外国人株主の影響、小泉内閣の国策、日本の人口分布、などがキー・ワードだと思ってます。
全部まとめて1回で話すと、かなりの量になってしまうので、部分的に話していきたいと思います。最近ちょっと気になっているのが、戦争のリスクです。パレスチナやイラクでの事件の様子を聞いていると、何やらきな臭い気がします。しかし戦争のリスクは実は下がってきているのではないでしょうか?パレスチナやイラクで今起きていることは、戦争が終結していく中での、戦争を続けたい者による最後のあがきなのではないでしょうか?何故そう思うかというと、ドルの動きです。もし本当に戦争のリスクが上がっているのであれば、アメリカの戦費が下がらないことが連想され、それは即ちアメリカ財政の更なる悪化→ドル安となる筈です。対円でも、特に対ユーロでも、そうは中々ならないということは、外国為替という無数の主体が参加する市場におけるコンセンサスは、必ずしも戦争リスクの上昇を表していないと云うことではないでしょうか。世界的に本格的な戦争のリスクは下落していると私は感じています。そしてそのことは、リスクマネーの膨張を促し、(日本に限らず)株式市場にとってはいい材料です。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。