昨日、色々な桜についてつぶやきましたが、一つ、大切な区分を云い忘れました。昼見る桜と、夜見る桜です。私の感性では、桜並木や辺り一面の桜と云うのは、夜桜に限ると思っています。小さい頃から夜桜見物が好きでした。家のすぐ近くに高校があり、その敷地の縁を桜がぐるっと囲んでいました。夜になってから親と一緒にその夜桜を見に行くのが、ちょっと大人ぶった粋な世界に触れるようで、とても嬉しかったことを覚えています。かつては谷中の墓地の五重塔跡前の桜並木は、道路の両側から枝が大きく垂れてきており、道を歩きながら上を見ると一面の桜で、手を伸ばせば届くようでとても素敵だったのですが、どういう訳か10年ほど前にその垂れ下がっていた部分を切られてしまいました。随分無粋なことをするもんですが、枝が切られる前のあの通りは、私の中では夜桜の一番の名所でした。今は夜桜No1は、やはり千鳥ヶ淵でしょうか。遊歩道から田安門側を見ると、お堀の大きな岸が、桜の花で埋め尽くされています。遊歩道の桜も、対岸の桜も、それは正に狂おしいほどの大量な桜であり、昼間見るのはかなりの度胸が要ります(私には)。夜桜で見るのが丁度良く、それでも雄大な景色はかなりの迫力があります。桜が咲く時には必ず雨が降るもので、今日の東京は恐らく八分咲きから満開程度だと思うのですが、やはり雨が降っています。天から見ても、早く色を落としたくなるような狂おしい絢爛さなのでしょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。