昨日、色々な桜についてつぶやきましたが、一つ、大切な区分を云い忘れました。昼見る桜と、夜見る桜です。私の感性では、桜並木や辺り一面の桜と云うのは、夜桜に限ると思っています。小さい頃から夜桜見物が好きでした。家のすぐ近くに高校があり、その敷地の縁を桜がぐるっと囲んでいました。夜になってから親と一緒にその夜桜を見に行くのが、ちょっと大人ぶった粋な世界に触れるようで、とても嬉しかったことを覚えています。かつては谷中の墓地の五重塔跡前の桜並木は、道路の両側から枝が大きく垂れてきており、道を歩きながら上を見ると一面の桜で、手を伸ばせば届くようでとても素敵だったのですが、どういう訳か10年ほど前にその垂れ下がっていた部分を切られてしまいました。随分無粋なことをするもんですが、枝が切られる前のあの通りは、私の中では夜桜の一番の名所でした。今は夜桜No1は、やはり千鳥ヶ淵でしょうか。遊歩道から田安門側を見ると、お堀の大きな岸が、桜の花で埋め尽くされています。遊歩道の桜も、対岸の桜も、それは正に狂おしいほどの大量な桜であり、昼間見るのはかなりの度胸が要ります(私には)。夜桜で見るのが丁度良く、それでも雄大な景色はかなりの迫力があります。桜が咲く時には必ず雨が降るもので、今日の東京は恐らく八分咲きから満開程度だと思うのですが、やはり雨が降っています。天から見ても、早く色を落としたくなるような狂おしい絢爛さなのでしょうか。