寺山修司ではありませんが、私は不良が嫌いではありません。より正確に言うと、「ちょっと不良」が一番好きです。完璧な優等生を演じていると、どこかでそれが維持できなくなり、或る日急に破綻してしまうことがあります。優等生を続けていると、先生や上司などの言を信じ過ぎて、大きな間違いに気が付かないこともあります。継続するためにちょっと息を抜くこと。大局的な視点をなくさないために、ちょっと道から外れて、塀の上から眺めてみること。そんなことがとても重要だと思います。そう、塀の上によじ登って座ることが、小さい頃から好きでした。登ってはいけない塀。うっかりすると落ちてしまう、ちょっと危険な塀の上。でも塀の上からは色々なことがよく見える。塀の手前に限らず、塀の向こう側も見える。ビジネスの中で塀の上に登ることはありませんが、一般生活の中では塀に登れそうな場面はままあります。微妙な線ですが、これからも塀の上によじ登る気持ちは持ち続けていきたいと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。