或る小学校で、先生が生徒をずっと立たせていて問題となったそうです。先生と生徒の関係は、一体どのようになっているのでしょうか。私は極めて落ち着きのない子で、小学校5年生の頃はほぼ一年中、毎日立たされていました。立たされてもまだうるさいので廊下に出されると、教室と廊下の間の窓をよじ登って上から顔を出して手を振る。黒板の前に机を移動させられると、却って邪魔になるので机も椅子も取り上げられてしまい、しまいに教室の後ろのランドセルを入れるロッカーの上に座らされたりしました。
ロッカーはラワン材で出来ていたので、その頃の国語のテストの漢字が、ボコボコしたり穴が空いてしまったことを憶えています。よく先生に追っかけられ、小さかった私は片手で逆さまに吊り上げられ、もう片方の手でお尻をペンペン叩かれたりしました。しかし私は先生が大好きでしたし、二人は仲良しでした。そして今でも感謝しています。そんな先生と生徒の関係は、最近ではもうないのでしょうか?それは先生の問題でしょうか?親の問題でしょうか?それとも社会の問題でしょうか?あの頃が、ちょっと懐かしくなりました。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。