米景気は堅調、クレジット全体は安定だが最弱層に歪みが出始める

・FOMC(米連邦公開市場委員会)参加者のGDP下振れリスク回答者は直近でゼロであった。これは、2009~10年以来で、成長見通しが明確である。設備投資の強さが背景にある。

・投資適格債とハイイールド債のクレジットスプレッドは低位で安定し、景気環境の安定感が示唆される。

・一方でCCC格のスプレッドは拡大し、金利上昇局面で信用力の低い発行体に負担が生じ、いわゆるK字的な分化が進む兆しがある。

高リスク資金調達の鈍化とセクター・国別の分化

・BIS(国際決済銀行)レポートでも高リスクの起債活動の減速を確認。プライベートクレジットが先行して減速し、レバレッジド・ローン、ハイイールドも軟調化している。

・CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場では半導体製造で上昇がみられ調達コストが上がる一方、S&P500全体のCDSは落ち着いており、全体としては堅調だが、一部弱い部分が見られている。

・欧州では対ドイツ国債スプレッドが拡大している。特にフランスで拡大がみられるが全体としては落ち着いている。フランスの水準自体は欧州債務危機期(2012年以来)ほどではないが、 当時に匹敵する場面もあり、国によって差別化が進行していることも意識される局面ではないか。

金利高止まり局面での株式ファクターと債券の「クオリティ」重視

・金利上昇期(13週で25bp超の上昇が続く局面を指標化。今後も利上げが数回残る想定の文脈)では、クオリティと収益性が2年・10年のいずれの金利でも相対的に良好。バリューも概ね良好で、小型効果もプラス傾向である。

・イールドカーブ別では、クオリティはフラット化(成熟)・スティープ化(景気拡大)の双方で堅調。バリューとサイズはスティープ化で強く、フラット化局面では伸び悩みやすい。

・ポートフォリオでは「質」を意識する姿勢が有効であり、債券は流動性と基軸通貨性を持つ米国債や高格付け社債を重視、株式も高収益・低レバレッジ・安定利益のクオリティ銘柄への配慮が鍵である。

STOCKVOICE TV「東京マーケットワイド」ゲストコーナー