米国では企業業績の拡大が続く一方、原油をはじめとする資源価格の値上がりや米長期金利の上昇がみられており、株価バリュエーションへの配慮も求められる局面と考えられます。こうした環境では、単に株価収益率(PER)の低い銘柄を探すのではなく、収益性や利益成長力を備えているか否かも気になるところではないでしょうか。そこで今回は、相対的に高い収益性と利益成長が市場で期待されながら、バリュエーションが低い銘柄を、以下の基準をもとに抽出しました。
<抽出条件>
S&P500種株価指数の構成銘柄
(除く銀行、保険、不動産、投資銀行・証券会社、消費者金融、資産運用、資産管理)
・予想株主資本利益率(ROE、向こう12ヶ月)が各産業グループ内で上位40%以内
(除く予想ROEが100%を上回る銘柄)
・予想株価収益率(PER、向こう12ヶ月)が各産業グループ内で下位40%以内
・翌会計年から翌々会計年にかけての予想一株あたり利益(EPS)成長率が各産業グループ内で上位40%以内
銘柄リストには、トラックや機関車、主力電源・発電機向けのエンジンを手掛けるカミンズ[CMI]が名を連ねています。同社は主にデータセンターの予備電源として使用されている発電機の生産拡大に向けて昨年2億ドルの投資を行ったほか、足元でも4.5億ドルの投資を進めています。また、データセンター関連の売上高が2026-2030年で80%増加し、90億ドルに達するとの見通しを示しています。また、鉄鋼製造および金属リサイクルを手掛けるスチール・ダイナミクス[STLD]も基準を満たしました。同社の製品には、熱延鋼板、厚板、塗装鋼板などが含まれます。鉄鋼事業における価格の改善や堅調な需要の継続を背景に売上高や利益が増加しています。同社の経営陣は、通商政策や製造業のリショアリング(一般的に、企業が、海外に移管・委託した業務の拠点を国内に戻すこと)などを好材料の背景として指摘しているほか、2027年にかけて国内の鉄鋼・アルミニウム消費が堅調に推移するとの見通しも示しています。他方、電子機器の受託製造サービスを提供するジェイビル・サーキット[JBL]もリスト入りしました。足元、人工知能(AI)インフラへの需要が旺盛ななかで、業績見通しが改善しています。同社の経営陣は6月に行われた四半期決算時に、「これまで低迷していたポートフォリオの分野、特に自動車やコネクテッドリビングにおいて予想を上回るパフォーマンスが続いている」との認識を示しており、売上高・EPSの成長継続が期待されます。
足元、投資家心理を映すとされるVIX指数が17.84(9月10日時点)と不安心理が高まった状態とされる節目の20に近づくなど、株式市場が不安定化する兆しもみられますが、収益性、利益成長性、バリュエーションへの着目を通じて投資妙味を有する銘柄を発掘できる可能性がありますのでご参考にしていただければと思います。
