2026年上半期と7月の米国株式相場における騰落率を確認すると投資家による物色対象に変化がみられています。投資における考え方として資産のリターンに影響を与える要因に着目するファクター投資というものがありますが、情報技術関連銘柄を中心に構成されるモメンタムファクター指数は上半期に39.6%高と顕著な値上がりを示したものの、7月以降は中国の人工知能(AI)関連企業や半導体関連企業の台頭が報じられるなかで13.5%安と調整局面を迎えています。一方、高配当利回り指数は上半期に9.9%の値上がりにとどまりましたが、7月以降は3.1%の上昇と相対的に良好なパフォーマンスを示しています。そこで、今回は企業の配当に注目したうえで、業績成長も実現している企業を以下の基準で抽出しました。

<抽出基準>
・S&P500種株価指数構成銘柄(除く不動産)
・5年連続での増配企業
・今会計年から翌会計年、翌会計年から翌々会計年にかけて一株あたり利益(EPS)成長率の改善が見込まれている銘柄
・向こう12カ月の予想配当利回りが高い順に15銘柄を抽出

リストを確認すると、家電小売業者のベスト・バイ[BBY]が基準を満たしました。ゲーム機やパソコンなど従来型の製品に加え、人工知能(AI)機能を搭載した眼鏡のような新しい分野の製品に対する堅調な需要も足元の業績に関する好材料となっています。11月よりJason Bonfig氏が最高経営責任者(CEO)として同社を率いる予定で、家電製品の価格設定や配送スピードへの投資、オンラインでの家電製品の購買体験の改善に取り組む方針を示しています。新CEOの下での経営改革や業績成長が期待されます。飲食品メーカーのモンデリーズ・インターナショナル[MDLZ]もリストに名を連ねています。7月28日に同社が公表した2026年第2四半期決算では、売上高、EPSともに市場予想を上回りました。同社の経営陣は新興国市場における消費者信頼感が底堅さを保っており、スナック菓子への支出は拡大を続けていると指摘しています。国別ではインドの消費者信頼感が極めて強いうえ、メキシコやブラジルは堅調との見方を示しています。また、工具や機器を製造・販売するスナップオン[SNA]もリストに入りました。7月23日に公表された2026年第2四半期決算では売上高の伸びがコストの増加を上回り、底堅い成長となりました。整備士向けの工具販売や商工業向けソリューションの需要が堅調でした。
7月30日の米国株式相場において主要株価指数が反発するなど投資家心理はいったん回復している一方、中東情勢を巡る警戒感はくすぶっており、目先の株式相場は不安定な値動きとなる可能性もあります。中長期的な成長を捉える観点で半導体をはじめとするグロース株への注目は欠かせませんが、企業・株式の配当面にも目を向けられると投資妙味のある銘柄に出会えるかもしれません。

米国・配当面での妙味と業績の成長性を備えた銘柄例はこちらからチェック