現在のファンダメンタルズ:円安警戒感から米国連休前の円買い戻し
先週(6月29日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円: 160.464円~162.839円 161.374円
・ユーロ/米ドル:1.13616ドル~1.14723ドル 1.14362ドル
・ユーロ/円: 183.757~185.856円 184.572
先週(6月29日週)の為替市場:米ドル/円は1986年以来の円安
6月29日週の為替市場は米ドル/円が一時162.839と年初来の高値を更新し、1986年以来の円安をつけた後に、米国独立記念日による3連休を前に短期筋の利食いが出ました。
158円台後半から米ドル売りを維持していた国内個人投資家の一部は7月1日の162円台乗せによりストップが付いたようです。しかし、翌2日には米国3連休を控えていたことから短期筋の利食いが大口で入りました(介入ではなかったことが日銀当座預金残高から確定)。
さらに、事前予想よりも弱い米国雇用統計も重なって、7月3日には一時160.464まで下落し、6月17日以来の水準をみた後に161円台前半へと戻して取引を終えました。
1986年以来の円安水準となったことで、当局もかなり警戒していることは確かですが、これまでと異なり介入に関しては一切発言しない方向に変化したという見方が増えています。ただ、2024年のGW介入から7月介入までの10週間で、値幅が約2円であったことを考えると今週は一段と介入警戒感が強まる可能性が高いと言えるでしょう。
なお、1986年以来の162円という表現は、水準としては正しいのですが、当時は1985年のプラザ合意で対主要通貨での米ドル売り協調介入後の急激な円高局面であり、現在の円安局面とは方向も市場環境も全く異なる点には注意が必要です。
170円の大台が次のターゲット兼レジスタンスに
今週(7月6日週)は固定相場時代から現在までの米ドル/円の動きを確認しておきたいと思います。1ドル360円の固定相場時代から現在までの四半期足チャートをご覧ください(図表1)。
1973年に変動相場制へと移行
1971年12月までは1ドル360円の固定相場(上の緑の水平線)でしたが、同年12月18日のスミソニアン協定で1ドル308円(下の緑の水平線)へと円が切り上げられ、その後も米ドル売りの圧力が強まり、1973年に変動相場制へと移行しました。
当時は為替レートの数値自体が大きいため、値動きも大きく感じますが、1978年に177円台まで円高が進んだ後、1982年に277円台まで円安の動きがありました。1985年9月にはNYでプラザ合意があり、急激な円高相場が始まり、1986年初には200円の大台割れ、同年中に152円割れとなりました。
さらに円安となる可能性も
つまり、現在の円相場は水準的にはこの1986年の水準にまで戻してきたということになりますが、チャートだけを見ると30年以上かけて底打ちしているようなチャートにも見えます。現在の水準から上のテクニカルなターゲットを青い線で示してありますが、近いところでは169.38(1985年高値と2011年安値の半値戻し、青のターゲット)と、ざっくりと170円の大台が次のターゲット兼レジスタンスになっていると考えられます。
このまま手を打たなければ、さらなる円安になるリスクは非常に高く、円安を止められるかどうかにかかわらず、再度の為替介入は近いのではないでしょうか。具体的な相場水準については次項でチャートを見ながら考えていきます。
米ドル/円チャート(週足)、上昇トレンド継続も高値圏での十字線
長期的な判断は週足で行います。先週(6月29日週)も緩やかな米ドル高のトレンドが続き、1986年以来の162円台となりました。しかし、その後急速にポジション調整による円買い戻しが入ったことで、高値圏で同時線(実体が短い十字線)が出現、短期的には高値をつけた可能性も出てきた週足チャートとなっています。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。
米ドル/円チャート(日足)、7月2日にデッド・クロス、ほぼ2ヶ月ぶりの転換
日足チャートで拡大します。また、短期的な判断は日足で行います。
日足では5月7日のゴールデン・クロス(GC)以来、ほぼ2ヶ月ぶりに方向転換を示すデッド・クロス(DC)が出現しました。また、5月7日安値からの平行上昇チャンネル(緑の平行線)も下抜けてきましたので、短期的には方向転換が入ったという見方で良さそうです。
下値のターゲットとして、前回介入前の高値160.723(青の水平線)をトライしてきましたので、その下のサポートは大台160円と考えて良いでしょうし、上値は今週(7月6日週)のところは162円がレジスタンスになると考えています。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
ユーロ/米ドルは前週安値からいったん反発
ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。
週足チャート(図表4)ではユーロ/米ドルが前週に年初来安値を更新したものの、先週(6月29日週)は米ドルが下げる動きとなったため、いったん反発しました。テクニカルには青の拡散型ウェッジの下限が、2025年安値と2026年高値の38.2%押し1.13534と重なっていたことも下げ止まりやすい状況を生んでいたと見られます。ただ、長期トレンドは依然としてユーロ安であり、米ドル/円とともに米ドルの動きに左右されやすい地合いにあります。
日足チャート(図表5)では6月17日のデッド・クロス(DC)から6月29日にゴールデン・クロス(GC)へと転換しました。週足で示した同じラインを日足にも引いてみると、今回は拡散型ウェッジで下げ止まり、ゴールデン・クロス(GC)に転じたことが確認できます。いっぽうで上値は6月8日安値1.14998がレジスタンスとして意識されやすい水準となっています。
ユーロ/円はユーロ/米ドル下げの影響で移動平均線下抜け1週目
ユーロ/円(図表6)は先週末も終値が20週移動平均線を下回って引け、下抜けが2週連続となり、下降トレンドと判断できます。しかし、移動平均線自体がほぼ水平でローソク足も移動平均銭に近いことから当面は横ばいで、方向感ははっきりしない状況です。現状では米ドルの動きが中心となっているため、ユーロ/円はしばらく蚊帳の外でしょうか。
ユーロ/円の日足チャート(図表7)では、6月29日にゴールデン・クロス(GC)へと転じました。7月2日に米ドル/円が下げ、ユーロ/円も下げたもののデッド・クロス(DC)には至りませんでした。ただ、現行の水準から上がらないとDCに転じる可能性も高く、短期的にもトレンドが続きにくい展開になってきていると感じます。当面、ユーロ/円は184円台半ばをもみあいの中心とする展開を考えています。
それでは今週も良いトレードを!
