下半期入りは一極集中から循環物色
先週の日経平均は週間で383円高と小幅ながら上昇した。週前半は米ハイテク株高を追い風に7万円台を回復し、1日には一時71,000円台に乗せる場面もあったが、米国でAIへの巨額投資の収益性への警戒からSOX指数が6%超下落したのを受け、2日は69,000円を割り込んだ。もっとも、この日もTOPIXは上昇しており、週末3日には米利上げ観測の後退を支えに日経平均は1,010円高と反発、キオクシアホールディングス(285A)も大幅高となった。3日は業種別で金属製品、繊維製品、不動産、機械、サービスなどが買われ、下落した業種はゼロ。東証グロース250指数も1ヶ月ぶり高値をつけるなど、物色の裾野が広がりながら底堅さを増している。AI・半導体の一極集中から循環物色へ。潮目の変化の兆しが感じられた下半期入りとなった。
注目の需給イベントは主力ETFの決算による分配金原資の換金売り
さて、今週の注目材料は需給イベント、すなわちETF(上場投資信託)の決算だ。もはや毎年恒例の材料となっている感があるが、主力ETFは決算期末が7月8日と10日に集中しており、分配金支払いの原資を捻出するための換金売りが発生する。8日は日経平均型、10日はTOPIX型が中心だ。当然、TOPIX型の10日のほうが売り需要は多く、市場推計では1兆円前後の売りが発生すると見込まれている。
過去のデータを検証すると、決算日当日の日経平均は売られやすい傾向がある一方、(相場急落過程にあった2024年のような例外を除けば)下げた分は5営業日程度で埋め戻されている。ファンダメンタルズの悪化ではなく需給要因で下げただけなので当然と言えば当然だろう。よって8日・10日の引けにかけて相場が崩れる場面があれば、買いの好機だと考える。ただし、売り規模の大きい10日はオプションSQの算出日とも重なり、値動きが荒れやすいことには注意が必要だ。
その他ファストリ決算やFOMC議事要旨公表の市場の反応に留意
そのほかのイベントでは、9日にセブン&アイ・ホールディングス(3382)とファーストリテイリング(9983)、10日に安川電機(6506)とイオン(8267)の決算が控える。日経平均への寄与度が大きいファストリの決算が、8日のETF売りの翌日に来る日程には留意したい。米国では8日(日本時間9日早朝)にFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨が公表される。6月会合ではドットプロットで9名が年内利上げを支持したが、その後の雇用統計で利上げ観測は後退した。議事要旨のタカ派的な文言に金利が反応する場面があっても、雇用統計の後であり限定的な反応にとどまるだろう。
今週は需給イベントと決算をこなしながら、引き続き出遅れセクターの巻き戻しによるNT倍率縮小の展開をメインシナリオとしたい。
予想レンジは6万8000円-7万2000円とする。
