政策金利、1995年以来31年ぶりの1.0%に引き上げ/国債買入れ減額も2027年4月で停止

日本銀行は、6月15日・16日の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移するよう促すことを決定しました。政策委員の8名(植田総裁は欠席)のうち7名が引き上げに賛成しました。2026年4月に就任した浅田委員は、物価の上振れリスクよりも生産・雇用の下振れリスクが大きいといった理由で、政策金利の据え置きを主張しました。

同時に長期国債の買入れ計画を発表しました。以前から国債の買入れを毎月2000億円程度減額していたところ、2027年4月以降は減額措置を停止し、月間で2兆円程度の買入れを行うとしました。

会合結果は事前の市場予想に沿ったもので、大きなサプライズにはなりませんでした。金融政策がサプライズなく通過したこともあり、日経平均株価は一時、史上初となる7万円台をつけるまで上昇しました。また、政策金利の引き上げを受け、国内長期金利は2.66%台まで上昇しました。

会見は内田眞一副総裁が実施/不確実性は前回会合比で低下か

利上げのペースに関する質問が相次ぐ

植田和男総裁は肝嚢胞(かんのうほう)感染症の治療のため本会合に欠席しており、15時30分から開始された記者会見は、内田眞一副総裁が担当しました。

足元では米国とイランが戦闘終結で合意と報じられていますが、今後の中東情勢の影響に関する質問や、先行きの金融政策(主には利上げのペース)に関する質問が相次ぎました。

金融政策については、声明文にもあるように今回の政策金利引き上げ後も緩和的な金融環境は維持され、経済をサポートしている状態との見方を示しました。先行きでは当面は中東情勢の影響による経済・物価・金融情勢を確認しながらの判断になるとしました。従来通り、時々の経済・物価情勢を確認しながら緩和度合いを調整していく(利上げを続けていく)といったスタンスを強調しました。

物価については、企業物価を中心に価格転嫁のスピードが従前よりも早いとし、それが徐々に消費者物価に波及することで、足元では2%を割り込んで推移しているインフレ指標も、再び2%程度で推移するとの見方が示されました。一方で、中東情勢の影響による物流の回復速度に注意が必要とし、基調的な物価の上振れリスクには留意する姿勢が読み取れました。

不確実性が低下、早期の追加利上げもあるか

会見を受けての筆者の所感は、審議委員メンバーは前回会合時点よりも各種リスクがやや低下していると判断している印象を受けました。米国とイランの戦闘終結合意にあるように、不確実性が低下したという程度ですが、審議委員メンバーの経済・物価の中心的な見通しに沿った動きとなる公算が高くなったとすれば、早期の追加利上げも意識する必要があるでしょう。