海外投資家たちは、日本に対して不安を抱き始めています。その主な理由は2つあります。個人的には、これらはすべて根拠のないものであり、今後3~6ヶ月のうちに解消されるだろうと確信しています。しかし現時点では、海外投資家たちは不安を感じており、利益確定に飛びつきがちです。なぜでしょうか?
1つ目の理由として、日本銀行は明らかに「対応が遅れている」状況にあり、遅かれ早かれ、より積極的な利上げを余儀なくされるでしょう。実際、7月6日の株式会社全東信の破綻は、海外投資家にとって大きな警告となっています。金利はかろうじて上昇したばかりなのに、すでに日本の金融機関が苦境に陥っているのでしょうか?
日本銀行が本格的に利上げを開始すれば、不良債権や債務不履行が急速に深刻な問題となる可能性があります。日本の第2の銀行システム――信用組合、信用金庫、地方銀行――はどれほど脆弱なのでしょうか。また、そこでの信用問題がメガバンクをも巻き込む可能性はあるのでしょうか。これが、現在、海外投資家にとって最大の懸念事項です。
地方銀行や信用金庫の間でM&Aが進み、今後数四半期にわたり日本のメガバンクや地方銀行が堅調な収益と信用実績を報告するようになれば、この懸念は解消されるものと私は確信しています。
2つ目の理由として、高市首相は大規模な改革を約束しましたが、実際に得られたのは巨額の財政パッケージだけで、CEOたちに株主価値の向上を迫るような実質的な政策措置は何もありません。海外投資家が失望していることは、ある程度理解できます。しかし実際には、高市首相が提案した野心的な産業政策は、企業の再編を加速させることになりそうです。
というのも、日本で370兆円の官民連携投資を実際に動員すれば、ほぼ確実に資本不足が生じ、CEOたちはついに、眠っていた資金を新たな投資に回さざるを得なくなるからです。負債資本と自己資本の両方のコストは上昇する見込みであり、それに伴い資本利益率も上昇するでしょう。
しかし、海外投資家には、高市首相の人気が低下していることや、大半のCEOが370兆円の計画に非常に批判的であるという報告が数多く寄せられています。もし、私の予想通り、次回の国会および2027年度予算で、高市氏の野心的な産業政策が実際に実施可能であることが確認されれば、信頼性は回復するでしょう。
海外投資家は2026年初めから約10兆円の日本株を購入しており、非常に良好なパフォーマンスを上げています。短期間で利益を上げた投資家なら誰でもそうであるように、利益を確定して次の投資に移りたいという誘惑は強いものです。
現在、日本では、日本銀行や高市氏のリーダーシップスタイルに対する懸念が、手軽で都合の良い言い訳として利用されています。しかし、日本のリスク資産――不動産や株式――における根本的な強気相場は、今後も維持される見通しです。もちろん、海外投資家の懸念は真剣に受け止めるべきですが、今夏が終わる頃には、それらの懸念は誤りであることが証明される、はずです。
- イェスパー・コール
- マネックスグループ株式会社 グローバル・アンバサダー
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1986年に来日後、リサーチ・投資業に関わってきた。2015年7月1日ウィズダムツリー・ジャパンの最高経営責任者(CEO)に就任し、現在はシニアアドバイザーを務める。これまで20年にわたり、米大手投資銀行のJ.P.モルガンやメリルリンチなどにおいてチーフストラジスト、リサーチヘッドを歴任し、常に日本におけるトップクラスのストラテジスト、エコノミストとして認識されてきた。日本政府の各種諮問委員会のメンバーを務めた実績を持ち、経済同友会の数少ない外国人メンバーである。また、日本語による著書には、「日本経済これから黄金期へ」、「平成デフレの終焉」、「本当は世界がうらやむ最強の日本経済」がある。
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