東京市場まとめ

1.概況

日経平均は640円安の65,947円と続落して取引を開始しました。先週末の米国市場では、市場予想を上回る雇用統計を受け、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ期待の後退が意識されたことで、主要3指数が揃って下落しました。また、主要な半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が10%超下落したことも嫌気され、日経平均は序盤から下げ幅を拡大する展開となりました。10時31分には、3,181円安の63,406円と、この日の安値をつけました。前引けは安値から持ち直し、2,547円安の64,040円となりました。

後場も弱含む展開で、徐々に下げ幅を拡大しました。下げ幅は再び3,000円を超える場面が見られたものの、最終的に2,563円安の64,024円で大幅続落で取引を終えました。

TOPIXは96ポイント安の3,852ポイントで3日続落、新興市場では東証グロース250指数が17ポイント安の748ポイントで反落となりました。

2.個別銘柄等

キオクシアホールディングス(285A)は8.0%安の71,880円をつけ、大幅反落となりました。5日の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が10.3%安と急落したことをきっかけに、国内でも人工知能(AI)や半導体銘柄に売りが出ました。

東宝(9602)は6.8%高の1,280.5円をつけ、4営業日ぶりに大幅反発となりました。5日、外資系証券が同社の投資判断を3段階で最上位の「バイ(買い)」、目標株価は1,590円で新たにカバレッジを開始したと伝わり、これを好感した買いが入りました。アナリストはマンガの知的財産(IP)取得や供給能力の拡大に加え、海外事業も拡大が見込まれると指摘しています。

三井不動産(8801)は2.2%安の1,462.5円をつけ、反落となりました。中東情勢の安定化が見通せず、原油高を通じた国内のインフレ上振れ懸念から、国内金利が上昇しており、金利上昇を嫌気する売りが出ました。金利高は不動産会社にとって、利払い負担の増加につながるとされており、三菱地所(8802)や住友不動産(8830)も売りが優勢となりました。

武田薬品工業(4502)は2.5%高の5,050円をつけ、3日続伸となりました。5日、2026年3月期(前期)の最終損益が1523億円の赤字になったと発表しました。便秘薬を巡る反トラスト法違反に関する引当金4025億円を計上したことが嫌気されたものの、2027年3月期の業績予想や配当金は据え置かれたことに加え、ディフェンシブ銘柄としての買いが株価を支えました。

中古車オークション運営を手掛けるユー・エス・エス(4732)は0.4%高の1,841円をつけ、小幅続伸となりました。5日、国内証券が同社の目標株価を従来の1,800円から2,000円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。アナリストは、「新車販売の回復と旺盛な輸出需要に支えられオークションは活況で、業績の安定性や積極的な株主還元策にも注目している」と指摘しています。

VIEW POINT: 明日への視点

米国株安を受けて、日経平均は大幅安となりました。ここまで、大きく上昇していた反動もあり、ボラティリティーの高い相場となっています。米国における利下げ期待の後退が、株安を招いたこともあり、今週は金融政策の先行きを占う上で、10日に発表される米CPI(消費者物価指数)や、翌11日のPPI(生産者物価指数)に注目が集まります。明日に向けては、今晩の米株市場の反応が重要と考えられ、自律反発の動きがあるかに注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)