2月28日の米国・イスラエルとイランとの直接的な武力衝突から4週間が経過しようとしています。米国とイランの双方が停戦に向けた条件を示したものの、金融市場では協議の難航や問題の長期化に伴う資源の調達難に直面する可能性などが警戒されています。

ただし、こうした地政学リスクに関する先行き不透明感が広がるなかでも、アナリストによりEPS(一株当たり利益)見通しが引き上げられる銘柄も存在します。そこで今回は、過去においてEPSの成長を継続した実績を有し、業績成長が続く見通しであるうえ、紛争開始後にEPS予想が引き上げられた銘柄を以下の条件に基づきピックアップしました。

<抽出条件>
・S&P500種株価指数、ナスダック100指数に含まれている通期決算期が12月の銘柄
(特殊性を勘案し、REIT(不動産投資信託)を除く)
・2023-2025年においてEPSが連続してプラス成長
・2025-2026年の予想EPS成長率がプラス
・過去3週間において市場で2026年のEPS予想が引き上げられた銘柄(+0.5%以上)

リストでは過去3週間におけるEPS予想の変化率が高い順に各銘柄を掲載していますが、トップはSNSを運営するメタ・プラットフォームズ[META]となりました。同社の主要アプリ(Facebook、Instagram、Messenger、WhatsApp)を1日のうちに少なくとも1回利用したユーザー数は、2025年12月の平均で前年比7%増の35億人超となっており、事業の成長が続いています。ただ、足元ではSNS依存に関する裁判で賠償金の支払いを命じられ、将来的な同社の支出増加が懸念されており、株価は軟調に推移しています。

他方、米国最大級の電力小売会社の一角であるエヌアールジー・エナジー[NRG]も、EPS予想の上方修正が目立ちました。同社は2月下旬の決算において、「データセンター向けに大幅な新規容量を追加する見込み」との考えを明らかにし、今後の需要急増から恩恵を受ける見通しとの見方を示しています。

その他では、3銘柄が金融取引所関連となっている点が特徴的で、シービーオーイー・マーケッツ[CBOE]やシーエムイー・グループ[CME]、インターコンチネンタル・エクスチェンジ[ICE]がリストに並んでいます。取引所ビジネスは金融インフラとして比較的安定した収益が見込まれるほか、データ提供を収益源とする動きも広がりをみせています。

個別では、シービーオーイー・マーケッツが3月16日、傘下の株式・オプション取引所について取引時間を延長する計画を明らかにしています。同社は、米国株式の需要増加を背景に2022年2月から2026年2月にかけて、傘下の取引所におけるプレマーケットセッションの1日平均出来高が約800%増加したとしています。

また、インターコンチネンタル・エクスチェンジは3月17日にアポロ・グローバル・マネジメント[APO]と提携し、プライベートクレジット市場向けのデータインフラの構築を目指すと発表しました。最近では、プライベートクレジット市場に関する懸念も広がっていますが、定期的な情報提供は不透明感の緩和に寄与するものと期待されます。

足元では中東情勢が目まぐるしく変化しており、各資産の価格も関連情報に左右されて不安定な値動きとなっています。こうした環境下でも市場参加者により業績見通しが引き上げられている銘柄群としてご参照ください。

米国株・地政学リスクが高まるなかでも業績見通しが引き上げられている銘柄群はこちらからチェック