【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 45,577.47 ▼443.96 (3/20)
NASDAQ: 21,647.61 ▼443.08 (3/20)
1.概況
19日の米国市場は主要3指数が揃って下落しました。18日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)後、米国における利下げ観測が後退し、米国株式には下押し圧力がかかりました。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長はFOMC後の記者会見で、利下げを再開するにはインフレ鈍化の進展を確認する必要がある、との認識を示しました。
20日の米国市場は主要3指数が続落となりました。一部メディアが、米国防総省が地上軍の投入に向けて準備をしているなどと報じたことから、中東における軍事衝突の激化に対する懸念が強まり、原油高に伴うインフレや景気減速への不安が高まりました。
ダウ平均は取引序盤に売りが先行した後、取引中盤にかけては方向感を探る展開となったものの、取引後半に一段安となり、45,500ドルを明確に下回る場面もみられました。NY市場終盤は下げ幅を縮めたものの、限定的な戻りにとどまり、45,577ドルで取引を終えました。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は443ポイント安の21,647ポイント、S&P500株価指数は100ポイント安の6,506ポイントでともに下落しました。
2.経済指標等
3月のフィラデルフィア連銀景況指数は18.1と市場予想(10.5)に反して前月(16.3)を上回りました。米新規失業保険申請件数は205千件と前週結果(213千件)を下回りました。一方、1月の米新築住宅販売件数は587千件と市場予想(728千件)や下方修正された前月分(712千件)を大きく下回りました。
3.業種別動向
20日の米国市場でS&P500の業種別株価指数は、全11業種のうち2業種が小幅に上昇した半面、9業種が下落しました。金融が0.2%高でセクターの上昇率トップとなり、エネルギーが0.01%高で続きました。一方、公益事業が4.1%安と大きく下げたうえ、不動産が3.1%安、情報技術は2.2%安となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中7銘柄が上昇しました。米系証券による目標株価の引き上げがあったベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が1.0%高で構成銘柄中の上昇率トップとなりました。ビザ[V]が0.6%高、ゴールドマン・サックス[GS]が0.5%高と続きました。一方、23銘柄が下落し、特にアイビーエム[IBM]が3.4%安、ハネウェル・インターナショナル[HON]とエヌビディア[NVDA]が3.3%安、ボーイング[BA]は3.0%安でいずれも3%超の下落率となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、原油や天然ガスの開発・生産などを手掛けるアパッチ[APA]が2.8%高となりました。足元では、ホルムズ海峡の実質的な封鎖に伴い石油市場の供給余剰シナリオが崩れ、米系証券によって目標株価が引き上げられました。一方、スーパー・マイクロ・コンピューター[SMCI]は33.3%安となりました。サーバーを中国に不正に輸出したとして同社の共同創業者らが起訴され、経営を巡る不安が高まりました。
5.為替・金利等
長期金利は、前日比0.13%高い4.38%となりました。23日朝のドル円は159円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場で主要3指数が続落となったことを受けて、本日の日本市場にも下落圧力がかかるものとみられます。中東情勢が目まぐるしく変化するなか、引き続き米国・イスラエルとイランに関する新たな情報とそれを受けた原油相場の変動に左右される不安定な展開が想定されます。日経平均株価は節目の51,000円前後で下げ渋れるか注目されます。
(マネックス証券 シニアアナリスト 齊藤 聡)
