事実は小説より奇なり。金融界においてもそういうことは起きます。
今私の机の上に、「ウェン・ジニアス・フェイルド」という本が置いてあります。アマゾンで買った洋書ですが、あのジョン・メリウェザーのLTCMが隆興し破綻するまでの過程を克明に綴った本です。まだパラパラと目を通しただけですが、LTCMの人々だけでなく、その破綻の混沌に関った多くの人々(FEDや投資銀行など)が実名で、しかも実に具体的な場面に登場して来ます。私は登場人物の多くを個人的に直接知っていますし、大体のことは当時からリアルタイムで知っていましたが、やはりこうやって読むと生々しいものがあります。金融大事件の事実を克明に綴った書としては、あの大和銀行事件の「告白」もあります。これらの本はある意味で単に事実を書いただけですが、大変読み応えがあり、後世に残す価値も高いと思われます。
現代世界における最大の金融事件は、公的年金も含めた我が国の金融システムのバランスシートが実は巨額のズレを持ってバランスしていないのではないかということだと私は思っているのですが、誰か事実だけを克明かつ正確に綴ってくれないでしょうか。