10月1日から米政府機関は閉鎖されたままで、どうやら11月7日に予定されている10月分の雇用統計も発表されない見込みです。

10月28日にアマゾンが1.4万人もの大量の人員削減を発表、また、UPSはアマゾン向け需要の縮小や作業の自動化に伴い、今年これまでに4.8万人を削減したと発表しており、米労働市場のデータは非常に重要な局面かと思われますが、政府データが発表されない中で、どんなに米景気が悪化しようとも米国には利下げ余地が大きいこともあり、米主要株価インデックスは10月も史上最高値を更新しています。

マーケットは極めて楽観的ですが、労働市場は構造的な大転換期が到来しているように見えます。アマゾンの1.4万人の大規模人員削減は「生成AIの活用拡大に伴い、一部の業務で人員最適化が必要」とのことで、いよいよAIに仕事が奪われる時代に入っていることがうかがえます。

11月2日の日経新聞「文化時評」の記事、「米国で『ブルーカラービリオネア』現象」が興味深い。生成AIの影響でホワイトカラーが稼ぐ機会が減少する一方、AIには代替できない技能を習得し経験を積んだ配管工や自動車整備士など、技能工への需要が高まっており「配管工は今や医者よりも収入が高い」のだとか。

米国の労働市場の構造転換のスピードには驚かされますが、日本でも都市再生プロジェクトだけでなくデータセンター、半導体工場等の建設などで設備投資需要が急増する中、供給に余裕がない状況が続いていることで今年はサブコン銘柄の上昇が話題にもなりましたね。自分の仕事は10年後も需要があるだろうか?真剣に考える必要がありそうです。