泣けました。日曜日にレッズの今季最終試合を見に、生まれ育った町に行きました。駒場のサッカー場はかつてたまに忍び込んで遊んでいた場所です。2万2千人が球場を赤く染めて一丸となって応援し、心配し、そして歓喜し感慨に耽ったのも格別でしたが、試合のあとに駅まで帰る道のりは更に感慨深いものでした。かつて暗くなるまで毎日自転車に乗って遊んでいた街並み。幼なじみの家、自転車から転げ落ちて怪我をした場所、そしてかつて住んでいた家。全てが殆ど昔のままでした。空気の感触も、夕方の柔らかい陽射しの色も、町の音も、道路の色も、全てが一緒でした。たった1つのことを除いて。おかしなことに街並みが全てミニチュアのように見えたのです。8分の5ぐらいでしょうか。生まれてからずっと同じ場所に育ち、大学生になってその場所を離れそれっきりになってしまった私には、街並みに関する記憶は小学生の頃に見たスケール感がそのまま固定されてしまっていたのでしょうか。タイムスリップして昔に旅をしたような、そんな不思議な感覚に包まれた午後でした。