各種手続きのオンライン申請が可能に
iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入したい、加入したけれど変更のたびに書面(紙)に書いて郵送する、という一連の手続きが面倒という人も多かったと思います。私もそんなひとりです。
現在、スマホやパソコンでiDeCoの口座にログインすれば、毎月の掛金の配分変更や商品の入替(スイッチング)や、残高確認などを行うことはできます。ただ、例えば「引っ越したから住所を変更したい」「掛金額をふやしたい・減らしたい」という場合には、オンラインで手続きを行うことができなかったのです。ライフプランに応じて掛金を年に1回変更することも可能ですが、変更するには書面による手続きが必要で、個人投資家の方と話をしていても「面倒」という声を多く聞きました。
そんな方に朗報です。iDeCoの諸変更手続きの一部について、オンラインで手続きが完結する「e-iDeCo(イーイデコ)サービス」を利用できるようになります。
e-iDeCoとは、国民年金基金連合会が新たに提供する、マイナポータルを活用したiDeCo契約者(加入者・運用指図者)向けのオンライン手続きサービスのこと。
対応できる金融機関(運営管理機関)は、2025年10月20日から順次拡大していく予定です。例えば、マネックス証券では12月15日からサービスがスタートします(e-iDeCoについては利用できない運営管理機関もありますので、各運営管理機関に確認をしてください)。
オンラインで申請できるのは?
では、「e-iDeCo」において新たにオンラインで申請ができるようになるのはどのような手続きでしょうか。以下の手続きが可能になります。
〇加入者掛金引落機関変更届(掛金の引落口座を変更したい)
〇加入者掛金額変更届(毎月の掛金額を変更したい *1)
〇加入者被保険者種別変更届(離転職などで被保険者種別が変わったので変更したい *2)
〇加入者資格喪失届(iDeCoの掛金を停止したい)
*1:年単位拠出への変更は対象外 *2:任意加入への変更は対象外
e-iDeCo利用条件は?
e-iDeCoを利用するには次の要件を満たしている必要があります。
・マイナンバーカードの氏名が最新の情報になっている
・スマートフォンまたはICカードリーダライタを用いて、公的個人認証サービスを利用できる
e-iDeCoで手続きをしたい場合には、国民年金基金連合会のWEBサイト(*3)から「利用申込」を行う必要があります。また、事前にマイナンバーカード、マイナポータル利用者登録、e私書箱アカウントの作成が必要です。
*3
https://portal.e-shishobako.ne.jp/dp_apl/pw-usr/#/portal/landing?riyoCd=RPE0342000
初回の利用申込については平日8時~23時(土日祝日、年末年始を除く)に行う必要があります。なお、共済組合加入の方は平日8時~21時(土日祝日、年末年始を除く)です。e-iDeCoへの登録は少々面倒ではありますが、登録が完了したら、2回目以降はe-iDeCoにログインすれば、必要な手続きをオンラインで行うことが可能になります。
iDeCoについては、紙の書類の提出に時間も手間もとられることが課題でした。ただ、2024年12月からはiDeCoに申し込む際の会社に事業主証明書をもらうといったことも廃止され、徐々にではありますが、オンライン化が進んではいます。今後、すべての手続きがすべてオンラインでできるようになることを期待しています。
参考
◆iDeCoの諸変更届がマイナポータルから行えるようになりました|国民年金基金連合会
https://www.ideco-koushiki.jp/library/pdf/e-ideco_release.pdf
