日本に初の女性総理が誕生。これは高市氏が女性であることとはあまり関係がないように思います。世論を無視した利権政治、官僚依存の決められない政治、物価高放置と重くのしかかる社会保障費に重税。明るい未来が見通せない閉塞感を打破してくれるだろう人物を時代が求めた結果、高市氏が選ばれたということなのでしょう。
自民党総裁選は小泉氏優勢とされ、メディアはほぼ小泉氏選出を想定した報道に染まっていました。高市氏選出のサプライズの直後、自公連立解消で一気に不穏な空気に包まれ、一時は玉木総理大臣誕生の筋書きも台頭しましたが、維新が自民党との連立で合意と目まぐるしく動く政局に、「風が吹く時」というのは人々の想定と理解を超えて物事が動くものだと思わされた次第。
日々変化する風向きに、株や為替も神経質に動く局面もありましたが、気がつけば日経平均は5万円目前です。足元では高市トレードと、高市新政権への期待が織り込まれているようですが、振り返ってみれば、株価は閉塞感の強かった石破政権の1年間でも上昇を続けました。今年4月の急落はタリフショック、トランプ米政権の相互関税によるもので、決して石破政権が日本株の売り材料だったわけではありません。昨年の総裁選で石破総裁誕生となった週末のタイミングで「マネックス全国投資セミナーin広島」が開催されたのですが、パネルディスカッションでこの件が話題となりました。
石破総裁選出直後から円が急騰。日経平均先物は2,000円以上下落するなど市場の混乱が起きたため不安が広がっていましたが、パネルディスカッションでは「誰が首相でも関係ない、日本株は強い」が結論。政治が停滞しても、日本株市場は東証からの「資本コストや株価を意識した経営」の要請もあり、企業経営者の意識の改革が海外投資家に評価される大きなうねりにあります。そして確かに、この1年で株価は大きく上昇を続けました。もちろん政策の後押しがあれば、さらなる高みを目指せると思っています。
10月27日~29日にはトランプ米大統領来日で調整が進められており、早速日米首脳会談も予定されています。高市新政権の手腕が試されますが、きっと日本を力強く導いてくれると期待しています。
- 大橋 ひろこ
- フリーアナウンサー
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フリーアナウンサー/ナレーター/個人投資家。福島県出身。アナウンサーとして経済番組を担当したことをきっかけに自身も投資を始め、現在では個別株、インデックス投資、投資信託、FX、商品先物と幅広く投資している。個人投資家目線のインタビューに定評があり、経済講演会ではモデレーターとして活躍する。自身のトレードの記録はブログで赤裸々に公表しておりSNSでの情報発信も人気。一時期は海外映画やドラマの吹き替えなど声優としても活動していたが、現在は経済番組に専念。現在ラジオNIKKEIなどで経済番組レギュラーを多数抱え、キャスターとしても多忙な日々を送っている。
