東京市場まとめ
1.概況
日経平均は642円安の47,446円で続落して寄付きました。国内の政治情勢に関連する不透明感や、米中対立再燃への懸念が投資家心理を冷やし、売りが優勢でのスタートとなりました。寄付き後の前場は、持ち直す場面がみられるも、一進一退の推移となり、568円安の47,520円で前引けとなりました。
後場は、株価指数先物の下落に合わせて日経平均も軟調な展開となりました。下げ幅を拡大しての推移となった日経平均は、14時48分に1,544円安の46,544円をつけ、本日の安値を更新しました。その後も安値圏での推移となった日経平均は、最終的に1,241円安の46,847円で大引けとなりました。節目の47,000円を割り込み、続落で取引を終えました。
新興市場では東証グロース250指数が続落、3.2%安となりました。
2.個別銘柄等
良品計画(7453)は13.4%高の3,162円をつけ、4日続伸となる大幅高となりました。10日、2028年8月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画を発表し、売上高にあたる営業収益で1兆800億円を目指すとし、2025年8月期実績(7,846億円)から大きく伸ばす計画に、積極的な成長計画を好感した買いが入りました。
住友金属鉱山(5713)は一時、6.9%高の5,366円をつけ年初来高値を更新しました。前日のニューヨーク金先物相場で、2025年12月物が最高値を付けるなど、リスクオフムードの中での金相場の上昇を受け、金の関連銘柄と位置付けられる同社に思惑買いが入りました。
安川電機(6506)は0.6%安の4,062円をつけ4日ぶりに反落となりました。日中は、外資系証券が10日に同社の投資判断を3段階で真ん中の「中立」から最上位の「買い」に引き上げたことを材料視する買いが入るも、全体的な地合いの悪さから引けにかけて売りが優勢となりました。
MonotaRO(3064)は一時、10.9%安の1,903.5円をつけ年初来安値を更新しました。10日、9月の月次売上高を発表し、売上高は増加したものの、1営業日あたりの売上高の伸びが減速したことで、先行きが厳しいとの見方から売りが出ました。
サイバーセキュリティ研究開発のFFRIセキュリティ(3692)は7.6%安の9,280円をつけ大幅続落となりました。公明党が自民党との連立政権からの離脱を決め、国内政局の先行き不透明感が広がる中、前週に高市早苗自民党総裁の政策関連と位置づけられていた銘柄の一角に売りが出ました。同社は防衛省など官公庁や防衛産業向けに安全保障関連のセキュリティ調査・研究といったサービスを請け負ってきました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は続落となりました。野党連立による政権交代の可能性が、株式市場を下押ししています。明日の材料には、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演があげられるほか、ゴールドマン・サックス[GS]やシティ・グループ[C]など米銀大手の決算発表に注目が集まります。調整ムードが漂う株式市場で、個別銘柄の業績が支えとなるか、米銀大手決算に注目です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
