秋はどこへ行ったのか。3連休前の金曜日、東京は肌寒かったようですが私が向かった広島の気温は27~28度と夏の暑さ。流石に10月なのでとニットの羽織ものを持っていたのですが荷物になっただけでした。
年に1度、広島の貴金属商主催のゴールドセミナーで司会を務めるようになって随分経ちますが、今年ここまでゴールドが上昇するとは誰も予想できませんでした。業界の強気のアナリストらのあらゆる予想を超えるパフォーマンスを見せていますが、その背景にはやはりトランプ政権のリスクも。コントラリアン(逆張り)の日本人は過去のゴールド最高値更新時にはゴールドの売り手でしたが、昨今は史上最高値更新でも店頭でゴールドがよく売れているとか。止まらぬ円安もゴールド保有意欲を強めているようです。
セミナー後の楽しみは広島の地の物の食事。なかなかお目にかかることができないというドラゴンヘッドという「鱧の頭の南蛮風」料理が絶品でした。頭にまとわりつく身はほとんどコラーゲン。鱧の頭は魚というより龍の頭のような形をしていてまさに「ドラゴンヘッド」、これを食べる文化があるとはまだまだ知らないことがたくさんありますね。
その席で伺った話。もみじまんじゅうで知られる「おきな堂」が今年2025年5月31日をもって閉店してしまったのだそうです。宮島口で60年もの間親しまれてきた老舗の営業終了は、なんとこのところの温暖化のせいなのだそう。
おきな堂のもみじまんじゅうは水分量の多いスポンジ生地で保存料を使わないことが特徴であるため消費期限が3日間と短い。近年のインバウンド需要増で客足は増えても、言葉がうまく伝わらぬ外国人観光客に賞味期限を守ってもらえるだろうかと、頭を悩ませていたとか。猛暑による品質維持も課題となる中、保存料なしでは食中毒のリスクも高まることが背景にあったと聞いて、気候変動は文化継承を難しくする側面もあるのか、と驚いた次第です。
- 大橋 ひろこ
- フリーアナウンサー
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フリーアナウンサー/ナレーター/個人投資家。福島県出身。アナウンサーとして経済番組を担当したことをきっかけに自身も投資を始め、現在では個別株、インデックス投資、投資信託、FX、商品先物と幅広く投資している。個人投資家目線のインタビューに定評があり、経済講演会ではモデレーターとして活躍する。自身のトレードの記録はブログで赤裸々に公表しておりSNSでの情報発信も人気。一時期は海外映画やドラマの吹き替えなど声優としても活動していたが、現在は経済番組に専念。現在ラジオNIKKEIなどで経済番組レギュラーを多数抱え、キャスターとしても多忙な日々を送っている。
