東京市場まとめ

1.概況

日経平均は69円安の48,510円と反落して寄付きました。前日の米国株安や、短期的な過熱感が意識されたことで利益確定の売りが優勢で、軟調な推移となった日経平均は492円安の48,087円で前引けとなりました。

後場に入ると、序盤は持ち直しての推移となるも、中ごろは再び下げ幅を拡大し、13時58分には617円安の47,962円をつけ、本日の安値を更新しました。48,000円を割り込んだ水準では買いも入り、大引けにかけては下げ幅を縮小しました。最終的には491円安の48,088円で取引を終えました。

新興市場では東証グロース250指数が6日ぶりに反落、1.7%安となりました。

2.個別銘柄等

ファーストリテイリング(9983)は6.6%高の51,500円つけ、3日ぶりとなる大幅反発となりました。9日、2026年8月期(今期)の営業利益が前期比8.1%増の6,100億円になるとの見通しを発表し、市場予想を上回る内容であったほか、本業のもうけを示す営業利益の増加見通しを受け、好感した買いが入りました。

セブン&アイ・ホールディングス(3382)は3.5%安の1,911円をつけ続落となりました。9日、2026年2月期(今期)の営業利益が前期比4.0%減の4,040億円を見込むと発表し、従来予想から一転減益見通しとなり、市場予想平均も下回ったことが嫌気され、売りが出ました。

安川電機(6506)は1.4%高の4,085円をつけ3日続伸となりました。外資系証券が9日付のレポートで、同社の投資判断を3段階で真ん中の「ニュートラル(中立)」から最上位の「バイ(買い)」に、目標株価は従来の3,380円から足元の水準を上回る5,000円にそれぞれ引き上げ、これを材料視した買いが優勢となりました。

血液検査機器大手のシスメックス(6869)は0.8%高の1,883円をつけ4日ぶりに反発となりました。外資系証券が9日、投資判断を3段階で真ん中の「中立」から最上位の「買い」に引き上げたことで、これを材料視する買いが入りました。

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)は2.9%安の869円をつけ反落となりました。9日発表した2026年2月期の中間決算において、最終損益は12億円の赤字(前年同期は21億円の赤字)となり、これを嫌気した売りが出ました。光熱費や物流費の上昇が利益を圧迫しました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日は下落しましたが、日経平均は週間で5.1%高と高市ラリーで大幅な上昇となりました。来週月曜日の日本市場は祝日による休場です。材料としては、本日夜間に発表されるミシガン大学消費者信頼感指数に注目が集まります。なかでも期待インフレが注目で、家計のインフレ予想が高まっているのか、利下げ判断の観点で重要と考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)