「高市トレード再開」、4万8000円台にワンタッチか
週明けの東京株式市場の見通しを、市場関係者10人に尋ねれば、10人が10人とも「上昇して始まる」と答えるだろう。上がるには上がるが、日経平均がどのくらいまで上がるかについては4万6000円とか4万7000円とか、けち臭い予想が目に付く。
仮に5%の上昇率としても値幅では2300円弱だ。4万8000円台に、少なくともワンタッチはあるのではないか。
メディアには「高市トレード再開」との見出しが躍る。高市早苗・自民党新総裁の経済的スタンスである積極財政・金融緩和を好感しての株高を見込む向きが多い。しかし、それだけではないだろう。
ショートカバーが相場上昇に勢いをつける
まず週明けの月曜に関しては、「サプライズ」の効果が大きい。高市氏の総裁選勝利はメインシナリオでなかったどころか、本命・小泉氏、対抗・林氏というのが市場関係者の大方の見方ではなかったか。とにかく大きなサプライズであるには違いない。普通の人なら、「驚いた」で済むが、相場を張っているとそうはいかない。メインシナリオがひっくり返ったということは、そのシナリオに賭けていた投資家が買戻しを迫られるということだ。このショートカバーが相場上昇に勢いをつけることになるだろう。
もうひとつのインパクトは「初の女性総裁」が誕生したこと、そして「初の女性首相」誕生がほぼ確実なことだ。これは「日本が変わる」というイメージを海外投資家に抱かせるに格好の材料になる。
基本、全面高だが物色の流れは防衛、輸出関連、不動産
兎にも角にも、これで日経平均5万円の達成時期もかなり早くなるだろう。日経平均5万円の予想を「年末」としないで良かった。ストラテジーレポート(9月19日付け「年末までに日経平均5万円 」)を確認してほしい。僕の予想は「年末までに」である。
物色の流れは、基本全面高だが、高市トレードの本命である防衛をはじめ、円安も進むだろうから輸出関連、そして金融緩和期待で不動産などが買われやすい。半面、日銀の利上げが遅れそうなことから銀行株には逆風か。
今週はセブン&アイ・ホールディングス(3382)、良品計画(7453)、ファストリ(9983)など小売大手の決算発表がある。
また今週は、ノーベル賞ウィークだ。6日に生理学・医学賞、7日に物理学賞、8日に化学賞、9日に文学賞、10日に平和賞が発表される。
予想レンジは4万6000円~4万9000円とする。
